がんばれニッポン
さくら剛といえば囲碁、囲碁といえばさくら剛な昨今ですが、本日、アジア大会の囲碁日本代表壮行会にお邪魔して参りました!
いやー、なんといっても、ひと言でいいまして、もうほんとに、僕は、浮いていたにもほどがあります。みなさんお忘れですか? 囲碁日本代表のチーム愛称は「知恵の和ジャパン」で、命名者は一応僕なのですよ。というわけで、ありがたくも壮行会にお招きいただいたわけですが、やはり全員が関係者の方というイベントに1人だけ部外者が混ざるというのはなかなかの試練でした。
代表のみなさんがユニフォームを着て並んで座っているわけですが、一番端の主将山下プロのその少しだけ間を空けた隣に来賓としてさくら剛も座っているという。「誰なんだよあいつは」という会場からの視線を一身に受け……、心の中では「すいませんふてぶてしくこんなところにいて。でも僕だって座りたくてここに座っているわけじゃないんです(号泣)」と弁解の雄叫びを上げていました。
そんなわけで、いただいて来ました!
代表のみなさんのサイン色紙です!!
この代表愛称の件をブログに書いてから、「本当に囲碁なんか好きなのか」「誰が日本代表か知ってるのあんた?」という失礼極まりない質問をいくつか受けましたが、たしかに囲碁歴はめちゃくちゃ浅いというのはいなめない事実ですが代表の棋士の方は当然全員存じ上げておりますよ。井山裕太さんとか、囲碁に特に興味の無い方でも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか? リーグ入りやタイトル獲得の最年少記録を塗り替えまくっている、あろうことか平成生まれの棋士さんです。平成生まれですよ!! 平成生まれで日本代表として世界に出て行っているんですよ!!! 格好良すぎるじゃないですか。昭和生まれの僕なんて、日本どころか杉並区方南町も代表してないんですから。
来月の20日からアジア大会で囲碁が始まるそうですが、ここはひとつ代表の皆様には金メダルと共に凱旋していただきたいところです。代表の方にはぜひ帰国直後の対局で碁石の代わりにパシッ!と金メダルを打って、「あっ、まちがえちゃった!」とわざとらしく自慢をして欲しいですね。
ちなみに、実は最初事務局の方からお電話をいただいた時に、団旗の授与と簡単な挨拶をしてくださいということだったので、せっかくそのような大役を承ったからにはと、しっかり心を込めて挨拶を考えることにしました。挨拶はどのくらいの長さで?と尋ねてみたところ、「2,3分でお願いします」ということだったので、昨日ほぼまる1日潰して!! ここは一応物書きで生計を立てている身として、下手をしたらカネを取れるくらいの気の利いたおもしろい挨拶を考えてやろう!と思いコメントを作り、ストップウォッチ片手にきっちり3分で終わるように時間を計り、夜中まで練習を繰り返し最終的にほぼ完璧に暗記するに至りました。
人前で喋ることにはそれなりに抵抗がなくなりつつある昨今ですが、それでも自分を知らない人ばかりのところで人前に立つというのは初めてと言ってもよく、緊張は時が経つに連れ増してきます。
そしてなんと!!!
当日会場を訪れてみれば、時間も無いし、関係者でもないのにスピーチをするのはちょっとなあということで、挨拶は見事にカットになりました!!!
これは残念でしたねー。
たしかに、あの会でほぼ部外者である僕が挨拶をするなんていうのは場違いにも程があり、実際の空気を感じてみてやはり「ここでオレが挨拶なんて始めたら『えっ誰だあれ、なんで挨拶なんてしてんのあの誰だかわからない奴が?』みたいな苦しい雰囲気になるだろうな……」と思ったのでこれはカットされて当然、ああよかった。
ただ、一方で、こういう出来事は、僕が常々世の中から撲滅したいと思っていることなんですよね。つまり、まあ僕自身も、自分の挨拶は不要としか思えなかったので当日無くなる可能性はおおいにあるな、と思いながらも、「2,3分でお願いします」と言われたからにはその言葉を信じて時間を切り崩して準備するわけですよ。それで、当日不測の事態が起きて「すみませんお願いしていたことなんですがどうしても今日ムリになってしまって……」と言われるならしょうがないと思うんですが、元々頼まれたことがなかったことになっていて「えっ、挨拶する気なんですか? いや、時間の都合もあるし会の趣旨にもあわないしちょっとそれは……」という感じだと、なんか納得し辛い、損した気分になるんですよね。それなら、昨日1日他の仕事をしたかった……。
まあ関わってくる方が非常に多いので、こういう行き違いはよくあることですが、今日のことはさて置いて、出版業界で仕事をするようになってから、こんな事案に出くわすことがたくさんあります。なにがひどいって、この業界でよくあるのは、最初に「こうしてください」と言う人と、後で「えっ、こうしたんですか? それはこうじゃなくてああですよ!」と言う人が同一人物だという、信じられない展開なのです。その結果、それまでやってきた作業が全て無駄になるという……。同一人物だけど、あまりにあり得ない話の展開の仕方をされるので「この人は多重人格なんじゃないだろうか?」と思うことがあります。ほんと、同じ人から自信満々で以前聞いたことと180度違う内容のメールが来ると、混乱しますよ。自分の目を疑います。これは夢なんじゃないかと思うレベルです。ぶっ殺したくなります。なんちゃってねっっ!!!!
つまりですね、僕が何を言いたいかというと、もうぜひとも日本代表のみなさまにはメダルを取って凱旋していただきたい、僕は心から代表のみなさまを応援します!! ということなんです。
一見「華奢な少年少女」という雰囲気すらある代表のみなさまですが、その知能、精神力は常人の理解を超えたレベルであり小さな体でアジア中をあっと驚かすという!そのシーンが見たいのです。
なにしろ、スポーツで国ごとに戦う場は数ありますが、囲碁のように頭脳戦で競う機会というのはなかなか珍しいものだと思います。アジア大会では囲碁もスポーツのひとつとして位置づけられているわけですが、ともかく日本は体操や高飛び込みでは他の国に負けても頭脳ではアジアTOPであるということを、他の国にも知らしめてあげて欲しいと思います。
貴重な色紙もいただけまして、またおいしいクッキーも持たせていただいて、私のようなものにこんなにしていただいて、と、誠に感謝の念に堪えません。
僕もこれから、「引きこもり界の本因坊」の呼び名に恥ずかしくないように、精進を重ねていきたいと思います。ちなみに、囲碁を打ってくれる友達がいないのでまだ機械としか対戦していません。さらにちなみに、代表壮行会のスタッフの方には挨拶の件でぶーぶー文句を言って、次回、4年後のアジア大会壮行会ではきっちり挨拶の場を設けていただくように約束していただきました! ただし、4年後はまた代表の愛称が変わると思うので、その時にまた応募して選ばれたらという条件つきでした!! ウワッハー!