さよならカラムーチョ

 春は別れの季節ですね。

 私はこの度、30年来の付き合いである友と、関係を絶つ決心をしました。その相手とは、誰あろうカラムーチョです。

 カラムーチョといえばスティック型ですね。私の中でカラムーチョといったら、スティックタイプの王道のカラムーチョを指すのです。以前は140g入っていましたが、時代の移り変わりと共に今では112gほどの内容量となっています。

 しかし、年齢というのは残酷です。私が歳を重ねるごとに、私とカラムーチョの関係には溝ができ、その溝はいつしか修復不能な亀裂にまで発展してしまっていたようです。

 以前、南米から帰国時にみなさんからたくさんのカラムーチョをいただきまして、カラムーチョとポテトチップの海の中で私はそれはそれは気持ちよく泳いでいました。スナック菓子の大海原。おいしそうな地域の名産品などもいただいたようですが、それはメディアファクトリーの編集者に食われました。

 毎日の主食が、カラムーチョでした。南米での旅を終え、私はカラムーチョとの親密さも前以上に増したのです。こうして帰国後にたくさんふれあっているからというだけでなく、旅の途中でも私とカラムーチョの仲はただならぬものに発展したのです。なにしろ、子供のころからなにげなく呼んでいた「カラムーチョ」という名前、その由来が出会いから30年近く経ってようやくわかったのですから。

 「ムーチョ」というのは「mucho」であり、スペイン語で「たくさん」という意味なのです。中南米の旅の最中にふと、カラムーチョというのは日本語の「辛い」とスペイン語の「ムーチョ=たくさん」の組み合わせだということに気付いた時、その時が旅の中の高揚感のピーク。カラムーチョというのは、たくさん辛いという意味の造語なんだ。日本と南米の合作なんだ。このことを知れたというだけでも南米に来た甲斐があった。 
 モアイやガラパゴスやマチュピチュを見るよりも、カラムーチョの名前の謎を解けたということが旅の一番の成果でした。

 ところが話は飛びまして、3月末の発熱です。

 いろいろな要素が重なり高熱を出して寝込んでしまったのですが、その最終的な引き金となったのが、なにあろうカラムーチョだったのです。カラムーチョを食べたことにより、私は熱を出してしまったのです。

 なんとなく旅の後カラムーチョの海で泳いでいた頃から違和感は感じていました。悦楽に浸りながらも、なんだかカラムーチョを食べると体がおかしくなるのです。これはすなわち、年齢とともに自分の胃腸が全盛期のパワーを失ってきているということでありましょう。わずか7歳の頃、三方原のお店で初めてカラムーチョと対面してからずっと、スティックタイプのノーマルカラムーチョをひとふくろまるごと食べても全く体には影響がなく、平気へっちゃらな顔して野原を駆け回っていた少年でした、この私は。

 でも今は違います。顕著に溝を感じるようになったのはここ半年ほどでしょうか。たまにカラムーチョをひとふくろ食べると、すごい勢いで体調を崩すのです。まずいつものごとくお腹を壊すのですが、お腹を壊すと脱水症状にもなるし体がだるくなり、首や肩の痛みも増します。どうしたのでしょう。昔の私ではないし、昔のカラムーチョでもない。私たちはもう昔の関係ではない。そういう変化を感じるようになってから、カラムーチョは控えるようにしていました。距離を置くようにしたのです。

 とはいえこちらが避けているつもりでも、予期せぬところでご対面してしまうと、たとえばスナック菓子のコーナーには近づかないように気をつけていても、特売品コーナーなんかで思わずカラムーチョとばったり出くわしてしまえば、流れるヨダレを止めることはできずに買い物カゴに受け入れカラムーチョなのです。

 3月末は、いろいろ重なって微妙に体調を崩していたのです。すでに危なかった。なにかおかしいなあ、これは体調が危ないなあ、とうすうす気付いていた。そうだった。そんな時なのに、健康な時だとしてもお腹を壊してしまうカラムーチョをそんなうすうす気付いていた微妙なタイミングでひとふくろ深夜に平らげてしまったのです。

 そうしたら一気に高熱と腹痛といろんなものに一斉にやられて寝込みました。そして、気力で次の日くらいに復活したつもりになって、カキフライを買って来てソースとマヨネーズを山のようにかけてご飯と一緒に食べまくったら、胃が痛くて気持ち悪くてたまらなくなって、もうたまらんって感じで、しばらく果物しか食べられなくなりました。

 ことここに至っては、カラムーチョと決別するしか無いという結論に至ったのです。

 カラムーチョをひとふくろ食べる度に寝込んでいては、人生がはかどりません。かといって、全部じゃなくて半分だけ食べるとかそういうことはできない人間なんです。そんな中途半端な男じゃないんです。やるならば徹底的にやる。やらないならやらない。やると決めたら、とことんやる。途中でやめない。私はそういう生き方をすると決めているのです。そんな私がカラムーチョを半分だけ食べて残りはまた明日食べましょうなんていう女々しいことができますか。

 その代わりにおっとっとを買って食べたりしていましたが、おっとっとはすぐ飽きました。今はイチゴにはまっています。あまおうって高いんですね。あまおうはイチゴファンにとっての贅沢。今日もイチゴを買いに行かないと。

隊長

 久しぶりに38℃を超える熱を出した。いいや出したのではない、出たのだ。

 1年ぶりくらいだ。前に発熱したのは、旅行中、ペルーのアレキパというところだった。あの時は熱が出たのと同時に高山病にもかかってしまって頭がズッキズキに痛かった。

 前の日にナスカからバスで12時間くらいかけて、車酔いで瀕死の状態になりながら深夜にアレキパに到着してそれから宿を探して……、体力が赤くなっていたのに翌日そのまま起き上がって少女ミイラのフワニータちゃんというのを見に博物館に行ったら、ミイラにあわせた室温だったため寒すぎて一気に熱が出たのだ。寒いと熱が出るのは不思議だ。寒いんだから体温は下がりそうなもんじゃないか。暑いところで体温が上がるならもっともだけど、なんで寒いのに体温が上がるんだ。矛盾している。この矛盾を誰か説明してくれ!

 宿で熱を出して寝ている時に撮った写真だ。とりあえず旅先では辛い時には写真を撮ることにしている。後で「この写真を撮った時にどれだけ辛かったか」をよく思い出せるように。

 

Are

 

 いやあ、辛いなあ。

 この写真を見るだけで辛くなる。ほんとに辛い。こんな写真撮らなきゃよかったマジで。ほんとにこの写真見ると辛くなる。他にも車酔いの絶頂の時に撮った写真とか腹痛が限界を超えた時に撮った写真とかがあって、それぞれ見ると最高に辛くなる。なんでそんな辛い時に撮った写真なんかがあるんだと理解に苦しむ。思い出したくないものを思い出させられるのだから。

 それはそうと今回風邪をひいたのは、やはり寒かったからだ。深夜の電力はそれなりに余っているはずなのに、それを知らずに深夜も律儀にエアコンをつけずにいたら日に日に体が冷たくなったのだ。
 ちゃんとそのあたりの情報を調べていれば体調も管理できて余計な面倒を発生させられずに済んだと思うと、いろんなことをちゃんと調べて知ることは大事だと思った。もちろんもっと寒い思いをしている人はたくさんいるわけだけれど、ただ意味もなくみんな一斉に我慢をしても仕方がないわけで、我々は我々でしっかりやらないとなと思った次第である。

 ちなみに震災について、救助隊として参加した看護師さんのブログを、糸井さんのツイッターで紹介されていたので読みました。

http://blog.goo.ne.jp/flower-wing

 

幸せについて

 幸せというものがあるのならば、こういうことではないかと思う動画をYoutubeで見つけた。

 これを撮影しているお父さんの立場が、この世で一番幸せだと思う。







 このお父さんの立場になりたい。このお父さん以上に幸せな人がいるとしたらそれはどういう人か想像がつかないほど、このお父さんが最上級に幸せだと思う。
 ほんとうにこの家族がうらやましい。幸せすぎてまぶしい。これこそが幸せというものの正体ではないか。
 しかし、このような幸せにはオレは縁が無いまま人生を終わる気がする。絶対そうだ。この動画は見るだけでこちらも幸せになれる気がする動画だが、ふと我に返るとこのお父さんと自分の立場を比べてしまって悲しくてどうしようもなる動画でもある。

 そんな時は……、寂しくなったら、さくら剛の旅行記を読んで気を紛らわそう。今自分が悲しいとしても、本の中のさくら剛の不遇と比べたらまだ自分の方がよっぽど幸せだと思える。旅先であそこまで悲惨な目にあっている人間がいると思えば、少しは楽になれる気がする。あいつよりはさすがにオレの方がマシだ。と思ったらさくら剛はオレだった(号泣)!!!!!
 
 

 上の「幸せ動画」の柴犬ハナさんですが、その後成長してこのようになっているようです。お父さんがちょっと女っぽいということも判明しました。
 

 

プレイボーイとしましては

 毎年定例の近況報告です。先週末にアレルギー性鼻炎の手術を受けました。1年くらい有効のレーザー治療みたいなものもありますが、今回はそちらではなく、もうちょっと根本的に治療する方の、全身麻酔で「なんとか」という神経(ハウスダストや花粉などのアレルギー源に反応する神経)を切除する手術でした。

 流血はだいぶ止まりつつある方向みたいですが、まだ熱っぽかったり息ができなかったりもろもろと本調子ではないので療養生活をしています。日本にいる時は普段から療養生活のような暮らしぶりですが……

 そんな折ですが、本日発売の週刊プレイボーイに、モノクロ1ページですがさくらプレイボーイの本紹介とインタビューが掲載されています(さくらプレイボーイ=さくら剛の役職つき呼び名)。著者写真含め全体的に新刊紹介コーナーとしてあってはならない、意味不明な雰囲気になっています。よろしければご覧ください。

脳年齢2

 生まれて初めてDSをプレイした。やっと引きこもりとして時代に追いついたぞ!! 今まではDSもやったことがない引きこもりだったので、自信を持って「僕は引きこもりです」と名乗れなかったのだ。しかし今は違う。誰にも恥じることない、オレは1人前の引きこもりだ!!

 DSの本体には最初から脳年齢を計るソフトのショートバージョンみたいなのが入っていたので、やってみた。

20 

 余裕で20歳だ。

 ああ、自分の天才ぶりが恐ろしいぜ……。だいたい、子どものころから友達がいないのでやることといえばいつも1人で頭を使うような遊びばかり。大人になってからも飲み仲間すら全然いないのでただ部屋の中で考え事をしている日々。友達の多い一般人とは頭を使う量が違うんだよ!! 天才になってしまうのは当たり前だ!!

 しかし世間では、特に人間界ではこの天才ぶりが評価されていないと思う。こんな永遠の二十歳の生き生きとしたプリンプリンした新鮮な脳を持つ人間なのに、どうしてラブレターをこっそり渡すような女子もいなければ、友達になってくれる人すら皆無なのか。脳年齢が20歳ということは、つまり精神年齢がまだほとんど未成年ということなのだろうか? それでこんなに女子に無視され続けているのだろうか? たしかに赤ちゃんみたいな言葉遣いをすることは特に女子相手だと頻繁にあるし、部屋の中ではたいてい全裸だし、子ども扱いというか気持ち悪がられる傾向はすごくある。赤ちゃんのことはかわいがるくせにあいつら。赤ちゃんに似ている人間だって同じようにかわいがるんでないと、筋が通らないと思う。30過ぎの男とはいえ赤ちゃんみたいなのだったら同じように抱きしめたりチューチューしたりしなければ、それはウソの赤ちゃん好きだ。本当の赤ちゃん好きではない、「赤ちゃん好きを演じて自分のイメージアップを狙っているあこぎな女性」だ。

 だいたい、南米に行く時だって関係者を集めた「さくら剛を送る会」は企画から呼びかけまで全てオレが自分で行ったんだ。おもしろ三国志さんや赤兎馬さんなどに「今度僕を送る会を行いますので空いている日付を教えてください」と自ら連絡して、日程の調整をして店を決めて予約して、当日も幹事的なことをやりつつ支払いすら割り勘だったのだ。こんな惨めなことがこの21世紀にあってよいのだろうか? 
 しかも、南米にいる時には「さくらさんが帰って来たらお帰りなさい会をやりましょうね~」と言ってくれる人が何人もいたのに、どうだ、もうそろそろ帰国して4ヶ月になろうというのに、実際に帰って来たオレを見て誰1人として声を発してくれる人はいやしない。みんな雲隠れしてしまったかのようだ。
 なので、原稿もひと段落した今、またオレは「さくら剛を迎える会」を自分で企画しようか悩んでいる。人とたまには会いたいけど、しかし「送る会」を自分で全部やったんだから、迎える会まで本人が取り仕切るというのはあまりにも悲しい。でもやらないのはやらないでまた寂しいんだ。結局、どっちにしても情けないことになるんだよ。

 正直、脳年齢が若い方がいいか年寄りの方がいいかは難しいところだと思う。老人なみの脳になって自分も適当に仕事をして、人のミスや愚かなところや悲しんでいる気持ちや辛さに気付かないでいられる方がずっと悩みなく楽に生きられるんではないかと思う。通りすがりのそのへんの人の悩みや悲しさですら勝手に自分の頭の中に入ってくるというのはたまったもんじゃないんだ。
 天才になればなるほど悩みは深くなるのだなあ……。
 これを読んでいる人の中にもやはり友達が全くいないという人がいると思う。それはきっと、天才だからなんだ! あなたがあまりにも天才すぎて周りの人々から敬遠されているんだ。これからは「自分は天才だから友達がいないんだ」と思うようにすれば、かなり惨めさが軽減されるぞ。天才とは孤高なのだから!! イチローとか中田なんか、天才だけど友達はめちゃくちゃ多そうだな。モテモテだし。じゃあオレはやっぱり天才でもないし友達もいないしモテないということか。これでイチローや中田にためしにおもしろ旅行記を書かせてみたらさくら剛の旅行記より断然おもしろかったなんていうことになったら、人としてのオレの存在意義がなくなる。オレができることは全部イチローができるのだから。イチローはオレの存在を兼ねていると言える。これからイチローには、「さくら剛兼イチロー」を名乗ってほしい。1人2役で。オレは0役のまま生きていくから。もう寝る。

旅に必要なもの

 旅に必要なものというのは、旅先での必需品ではなく今回は「どうやったら旅に出られるか」「キミもこうすれば旅に出られる」という内容で書こうとしている。
 よくメール、メッセージをもらったり、マイミクの人のプロフィールを覗き見たりすると、「夢は世界一周」だったり世界一周までいかなくとも「夢は一人旅」という、いつか自分も一人で海外を放浪してみたいと思っている人が多いみたいだ。その気持ちは正直全くわからない。夢どころか「いつか海外に行けたらいいなあ」と思ったことすら一度もないしましてや一人旅なんて冗談じゃないという人だからオレは。インドア派ですから。モニター派ですから。
 しかしそれは置いておいて、いつか一人で長い旅に出たい、世界一周をしたい、その夢や希望を実現させるために必要なものは何か? いったいなんだと思う?

 この前の南米の旅では、2人の旅行者の「旅に出た理由」が印象に残った。2人とも日本人だ。1人は、オレより年上で、元郵便局員さん。彼は南米だけ1年くらいかけてまわっている人で、今でもブラジルあたりを旅していることだろう。まだ仕事をしていた何年か前、彼は連休を使ってメキシコのある観光地に短期旅行に出かけたのだが、登れると思っていた某遺跡のピラミッドが、その少し前に登頂禁止になってしまっていたという。そこは転落事故が起きてからクライム禁止になってしまったのだが、彼は「こうして登ったり立ち入ったりできなくなる遺跡が、時が経つごとにどんどん増えてくるんだなあ」と思い、それをきっかけに仕事を辞めて旅に出たという。
 もう1人は世界一周コースの若い青年で、彼のきっかけは、チャゲ&飛鳥の解散ということだった。(正確には解散していないみたいだけど)チャゲアスのコンサートにいつか行きたいと思っていたら、いつの間にか解散していてその機会を逃してしまった、行きたかったのに行けなかったという後悔、その気持ちが彼に、仕事を辞めて世界一周に出かける決意をさせたという。
 2人とも元々「いつか世界を旅したい」と思っていた人たちで、その「いつか」を具体化したきっかけは「後悔したくない」という気持ちである。2人とも、全く同じ理由だ。些細なことから、「あ、いつかいつか言っている場合じゃないな。今だな」と強く思えるきっかけを2人は掴めたのだ。

 正直、一人旅という夢は、ハードルが低いものだと思う。このオレなんかがあちこち行けているのだから、今時ほとんどの日本人はやろうと思えばできてしまうものだろう。
 しかし一人旅を決行するにあたって最も高いハードルで、そして同時にただひとつ絶対に必要で、これがなければどうにもならないけどでもこれさえあればなんとかなるというものが、「『行く』という決断」である。
 もうこれだけ。これだけあればいい。
 お金と時間がなくて……、という言葉の意味は、そこに実際にないのは金や時間ではなく決意である。決意がないのを無意識にお金と時間がないということにすり替えてしまっているのだ。「行く!」という決断さえしてしまえば、一定期間後に金と時間はできているものだ。詳細は省くけども。
 例えば「アイドル歌手になりたい」とか「総理大臣になりたい」なんていう目標はそう一筋縄ではいかないと思う。しかし今は仮に「世界一周にいつか行きたいと思っている人」を例に出したけど、旅と同じように「最初のハードルだけ越えればあとは簡単」というものを夢や目標にしている人も案外多いんじゃないかと思う。夢とかそんな大げさなものではなくても、ちょっとした願望とか。目標とか。
 ただ、「越えればあとは簡単」の「あとは簡単」という部分は、そうはいっても気付くのが難しい。最初のハードルが高いから、ハードルを越えていない人にはその後ろが見えていないのだ。「あとは簡単」ということに気付くのは、ハードルを越えてからだったりする。「やると決める」という最初の高い壁を越えてみてそこで、「あれ、壁の先はこんなに低かったのか」と気付くのだ。
 ひとつのことでそういうことに気付いた人は、次から次へ行けると思う。「意外とやればできちゃうんだね」ということにどこかでひとつ気付けたら、その人はきっと壁越え癖、決断癖がつくだろう。何歳の時にそれに気付けるかでだいぶ人生が変わってくると思う。それに気付くのが早ければ早いほど、壁の向こうは低いのだ。50歳で気付いたら、低いものも高く見えてしまうかもしれない。

 決意以外はたいした問題じゃない。お金が必要だとしても、決意をした人はお金を作るのだ。お金が貯まったらやろうと思っている人、まだ決意をしていない人には、お金は貯まらないのである。時間も勉強も同じだと思う。
 ばいばーい! ばいばーい!(グッバイボーイ)

ゲリラ

 ご注意:食事中の方、または食前食後の方は決して読まないでください。腹の調子が悪過ぎる。帰国して2回目の、超爆裂な爆発級の下痢になった。先月までの、中南米諸国でももちろん猛烈な下痢には何度かなっていて、1月1日の夜中には別に何も悪い物は食べていないのに疲労が溜まり過ぎて腹激痛に襲われ、ペルーの国境近くの町でシャーーーーッと尻からおしっこを出しながら体を折り曲げて泣きそうになりながらトイレにこもった。特に旅の後半はもう体力も精神力も空になっているから下痢三昧、下痢漬けの日々であった。「下痢漬け」というお漬物があったら食べたいな。「さくら剛ブランド」の下痢漬けも開発したい。

 しかし、今までの人生であればそんな尻からひたすらこげ茶色の水が飛び出るような猛烈下痢は海外にいる時だけの限定品であったのに、今回はなぜか帰国後、しかもまだ帰国から1週間ほどしか経っていないのにそんな下痢にもう2回もなっているのだ。今が2回目で、もう発症してからとっくに10回以上はトイレに通っている。なんだかわからないくらいひどいゲリで、ゲリゲリビチャーー!! と液体が尻からとても勢いよく噴射されるものだから跳ね返った茶色いお水(略してお茶)があちこちに飛び散り、下半身中が汚水まみれになってしまったじゃないか。何をするんだよ!! つけたばかりの便座カバーももう取り替えなくてはいけないんだ。
 下痢に腹痛にで、ただ部屋でじっと我慢しているだけで何も出来ない。執筆活動もなにもあったもんじゃない。このブログを書くのですら腹痛で体を丸めて繰り返し途中でトイレに行きながらもう3時間もかかっているんだよ。ブログを書く以外に何かしようと思っても、トイレットペーパーで下半身を丁寧に拭くことでもう精一杯だし、ブログを書いて下半身を拭けばそれだけで1日が終わってしまうのだ。例えば中米での1日は、朝グアテマラの宿をチェックアウトして別の町に移動して行列に並んで教会の名物・黒いキリスト像を見物し、それから乗り合いバスで国境に向かいホンジュラスに入国、そのまままた何度かバスで移動して次の国境からエルサルバドルに突入、強盗に怯えながらボロバスに3時間乗って首都のサンサルバドルに到着、宿を探してなんとかチェックインし、夕食がてら少し外の様子を探りに散歩に行こうなんて思って出かけたはいいけどやはり人気が少なく危険度MAX状態のイヤな予感がしたのでメシは諦めて逃げるように宿に戻り、宿にあったテレビでメキシカンプロレスを見る、なんてことを1日でやっていたのだ。大荷物をかかえて、5回もバスを乗り換えて隣の国に入り更にまたその隣の国まで到達するなんてことを、1日でしていたのだ。それが今日なんて、部屋から1歩も出ずに隣の国どころか到達したのはPCデスクから10歩で行けるトイレだけである。この移動距離の違いはなんなんだ。パスポートすら必要ないじゃないか。

 とはいえ、気分的には今自分が激しい下痢になっているということが、無性に幸せに感じたりもする。だって、ここは日本そして自分の部屋なのだ。こんなにハッピーな気分の腹痛があるだろうか!! こんなに精神的にリラックスして臨める腹痛があるのだろうか!!!
 10回以上トイレに駆け込んでいるといっても、毎回トイレに入るごとに、1回トイレに入れば1回幸せを、オレは感じるのだ。だって、トイレが、キレイなんだから!!! ついている汚物はただ自分の物だけなんだ!!! 下半身をぬぐったトイレットペーパーはそのまま便器に流していいんだぞ!!! 紙を流してもトイレが詰まらないんだよ!! 美しい便座そして便座カバーがついているから中腰の体勢で耐えることはもちろんトイレットペーパーで何度も便座をふいてなおかつその便座に折りたたんだトイレットペーパーを敷いてその上に狙いを定めて尻を下ろす必要も無いんだ!!! トイレから出たって他の旅行者なんていないから、はじめから全て脱ぎ捨てて全裸で出入りを繰り返してもいいんだ!!! わざわざトイレの中でパンツを下ろすなんて面倒くさいことをしなくてもいい!! 常に全裸でいればいいんだ!! そしてレバーを捻れば必ず満足な量の水が流れる!! クスコのペンション八幡のように10人以上でひとつのトイレをシェアして、しかもいきなり断水でその共同トイレが流れなくなり雨水をバケツで受け止めてその水をペットボトルを半分に切った手作りコップで何度も便器に移植してそれでなんとか黄色水や茶色水を中和させて場を凌ごうというようなそんな地獄絵図思い出したくも無い地獄の中の地獄の状況とは全く違うんだ!!!!

 日本のトイレ万歳!!! 自分だけのトイレ万歳!!!

 旅先では腹痛、下痢というものは我を地獄へいざなう絶望の使者であるが、これが日本の自分の部屋であれば清潔なトイレをなんのストレスもなく汚しながらああオレは日本に本当に帰って来たんだなとつくづく幸せを噛み締められるという、日本での下痢というのはオレにとっては天国からのメッセンジャー、幸せ配達人なのである。

 とはいえ帰国後1週間のうちに2度も究極クラスの下痢になっており、最初の下痢はおもしろ三国志さんと一緒に焼肉を食べに行った次の日、2回目は今日、これまた昨日は友達と一緒に外で中華料理をたらふく食べたのだ。
 つまり、豪勢な食事の翌日は今のところ100%、半端ない下痢になっている。オレの体は、4ヶ月ずっとろくなものを食べていなかったものだから、もはや焼肉などという人類の至宝・高栄養高カロリーの上品な食品を消化するようなハイレベルな働きが出来なくなってしまったのである。4ヶ月の南米暮らしの結果、胃腸が「どうせ今日もフライドチキン3本くらい消化すればいいんだろ? 追加で来るとしてもせいぜいピーナツかプリングルスくらいだぜ。そんなもんオレたちが本気を出すまでもないっつーの」というように油断しきっておりどんどん堕落、その結果日本のおいしい食べ物に対応出来ない貧弱な胃腸になってしまったのだ。
 もしもこれからもずっとこんな状態が続けば、どれだけ食べても食べ物が栄養として吸収されないものだから食べても食べても太らなくて好都合だ。嬉しいなあ。

 そうそう、それで今日は、ひとつみなさんにお知らせがあるんです。
 3月の1日から31日まで、啓文堂書店さんで「雑学文庫ダービー」というフェアが開催されており、「インドなんて二度と行くかボケ! 以下略」がラインナップに入っているそうなんです。
 啓文堂さん全店で、フェアのコーナーにインド含めたラインナップ文庫本が並べられ、その10数冊の中で1ヶ月の売り上げを競っているということです。
 ラインナップには文庫になる前からバカ売れした有名な本も入っているらしいのですが、でも、もうそんなに売れた本はいいじゃないですか。今回のフェアくらい、名も無いインド旅行記に取らせてくれてもいいじゃないですか。

 今月は、僕の誕生日なんです。

 いつも、1人で部屋の中で過ごす誕生日。今日が誕生日だなんていうことを必死で忘れようとする、いつもの誕生日。でも今年くらいは、プレゼントが欲しい。
 雑学フェア第1位、という誕生日プレゼントだったら、素敵なのに。

 啓文堂書店さんは首都圏に展開している書店さまです。このように http://www.keibundo.co.jp/shop/
 もし店舗のお近くにお住まいの方、お近くを通られる方がいらっしゃいましたら、店内フェアコーナーにて様子を見ていただけるとありがたき幸せに存じます。

三国志検定を受けましょう2

 昨日の続き・・・

 三国志検定とは違い、この三国志男検定は三国志だけを知っていても解けるものではない。三国志に加え、「三国志男」を熟読していなければわからない問題なのである。まだ三国志男を未読の人にとっては新たに勉強し直す必要があるのはたしかだが、「男」という文字が付加されているだけあってこの三国志男検定に合格すれば、確実にキャバクラでも自慢し放題である。モテモテ間違い無しである。なにしろ独自の調査によると、「小悪魔ageha」と読者層が90%以上かぶっているのが、この「三国志男」なのだから。

 では早速出題だ。3級から1級まで問題は、各5問。生半可な気持ちでは持ってかれてしまうので、心して挑んで欲しい。

3級問題

問1 「長坂の戦い」の古戦場である長坂坡公園で、劉備の跡継ぎである阿斗の石像はどのような状態になっていたか。

①獅子奮迅に立ち回る趙雲の像の懐に収納されている
②劉備の像の手元に置かれ厳しい目を注がれている
③母性愛あふれる麋夫人の像に抱きかかえられている
④そこら辺の草むらに捨てられている

                                 正解-④

問2 著者が赤壁古戦場を訪れるその決戦前夜、宿泊していた宿の部屋に夜襲をしかけて来たのは誰か。

①姓はノラ、名はイヌその人
②姓はニワ、名はトリその人
③姓はオバ、名はチャンその人
④姓はゴキ、名はブリその人

                                 正解-④

問3 この写真の生物はいったい何か。

Daikyo

①お岩さん
②お菊さん
③エレファントマンさん
④大喬さん

                                 正解-④

問4 次のうち、ヒゲが生えず美男子で、歳も取らないし決してトイレにも行かない豪快な中にも繊細さをあわせ持つ真の色男であるべき武将はどれか。

① 趙雲(チョンさま)
② 金環三結(キンさま)
③ 陳羣(チンさま)
④ 満寵(マンさま)

                                 正解-①

問5 著者が虎牢関古戦場を訪れた際、顔写真に目線入りの匿名で登場し劉備の悪口をつらつらと述べたのは誰か。

①方天戟を振り回せばこの世に敵無しの親殺し、Rさん
②蛇矛を持たせたら天下無双の豪傑、Cさん
③仁の人の劉備に問答無用で自分だけ斬られそうになったのを恨んでいる、K道栄さん
④マッハパンチで破壊できないものは無い、男塾一号生のJさん

                                 正解-②

2級問題

問1 「○○が欲しい(○○をください)」という表現を中国語で何というか、その覚え方と一緒に述べよ。

①王双が「ギャー!」と叫ぶので「オウソウギャー」
②趙統が「ワー!」と叫ぶので「チョウトウワー」
③陳珪が「ウォー!」と叫ぶので「チンケイウォー」
④関興が「ヒー!」と叫ぶので「缶コーヒー」

                                 正解-③

問2 貂蝉の墓の農具小屋にあった萌え系の貂蝉ちゃん人形を見た時、著者は思わずどのように叫んだか。

①握手して! 握手して貂蝉ちゃん!
②写メ撮って! 写メ撮って貂蝉ちゃん!
③チューさせてっっ!!! チューさせて貂蝉ちゃんっっ!!!!
④○○○させてっっ!!! ○○○させて貂蝉ちゃんっっ!!!!

                                 正解-③

問3 この写真の武将の像(体長10m以上)が陳列されていたのは、次のうちどこか。

Kyo

①ユニバーサルスタジオナンキン
②モンゴルの恐竜博物館
③天洋食品の毒ギョーザ工場
④諸葛孔明を祀った南陽武侯祠

                                 正解-④

問4 三顧の礼の舞台となった「古隆中」がある町の宿で、夜トイレの個室の電気をつけた著者が見てしまったものとは何か。

①隣の部屋から盗んだ金を数えている泥棒
②床にツバを吐きまくる中国生まれのトイレの花子さん
③排泄物
④真夜中に個室で電気を点けずにドアを開け放って大便をしているおっさん

                               正解-③、④

問5 宿で転んで重傷を負った著者は、関羽が肘の治療をした跡地にある「荊州中心医院」を訪れそこの可愛いナースに助けられた時、何をしようとしたか。

①中国語でお礼を言おうとした
②ジェスチャーで感謝の気持ちを表そうとした
③お礼の手紙を書こうとした
④結婚を申し込もうとした

                                 正解-④

1級問題

問1 NHK-BS2の番組「BS熱中夜話」に著者が出演し、写真を使って三国志遺跡トークを行なった際の、スタジオ内の反応はどうであったか。

①ダダスベリ
②アイソワライ
③ヤヤウケ
④バカウケ

                                 正解-④

問2 関西テレビの「ビーバップハイヒール」三国志特集に著者が出演した際、放送されていない部分で著者を散々いびり、本気で恐怖におののかせたのは誰であったか。

①ハイヒールのリンゴさん でも改めて挨拶に言ったらものすごく優しくしてくださり、本当はお姉さん肌で面倒見がよくとても素敵な人だということがわかったんです。
②ハイヒールのモモコさん
③たむらけんじさん
④筒井康隆さん

                                 正解-①

問3 ※大人の事情によりこの問題は掲載不可となりました

問4 この絵に描かれている物体は何か。

Gyoza

① 餃子
② ワンタン
③ ハイパーメディアクリエイター
④ 井戸に身を投げる麋夫人

                                 正解-④

問5 この怨霊の声が流れる暗闇の動画は、どこで撮影されたものか答えよ。

①石景山遊園地のパクリ幽霊屋敷
②香港ディズニーランドのホーンテッドマンション
③「三国志」をテーマにした五丈原の三国城
④駅前のごく普通の安宿

                                 正解-③

以上

 はい、鉛筆を置いて!!!

どうだっただろう。みんな上手く解けただろうか?
合格ラインは、各級ともに5問中5問正解である。残念ながら今回不合格だった人は、ぜひとも三国志男を新たに買い直して、復習に励んでもらいたい。読めば読むほど、合格は近づくのだ。
 さあここまでこなせば、三国志検定本番への準備は万端である。キミもぜひとも検定に合格して、夢を叶えて欲しい。新しい時代を担うのは、キミたち新世代の三国志検定なんだから!!

参考サイト
三国志検定公式HP

http://www.3594kentei.com/

三国志男公式HP
http://www.sanctuarybooks.jp/sangokushi/

東京での感染者

 しばらくブログをほったらかしにしていた。ただ単にほったらかしにしていたのと、ここ最近は風邪で寝込んでいて……(以下参照)

 ところで、新型インフルエンザの感染者が遂に東京で見つかったということで昨日から話題になっており、ニュース番組やワイドショーでは東京在住のいち女子高生の空港から自宅までの辿った道のりを細かく検証し発表するというストーカーもびっくりの堂々としたつきまといを、公共の電波を使って行っていた。

 だが、そんなニュースや「ついに東京に来た!!」と今になって騒ぎ始めているそのへんの人たちを見ると、オレは非常にバカバカしく感じてくるのである。いや、そのへんの人たちは情報も無いわけだから別にいいが、日本全国の情報が集約されるテレビともあろうものがいまさらなにをかいわんやである。

 オレは先週友人の風邪をもらってしまい、あっという間に発症(別に新型インフルエンザなわけではないけど)して38度を余裕で超える熱にうなされて寝込んでいた。症状は関節痛+頭痛+全身倦怠感と、一番ひどいのが喉の痛みと咳だ。ここぞとばかりにマンガを読もうと思ったが、「デスノート」の台詞の字はあまりにも細か過ぎて(理解にも頭を使うし)頭痛が強烈にひどくなったため、もしかしてデスノートに「さくら剛 頭痛がひどくなり死ぬ」と書かれたのかと思った。今は体温は平熱に戻ったのだが、咳が一向に治る気配が無く、かれこれ昨日の昼間から何十時間かほとんど寝ていない。よし寝てやろう、と思ってウトウト……とし始めるとものすごい勢いで咳が出てゲボッ、オエッ、ゴエーーッ!! てな具合で咳が止まらなくなって起きるしかないのだ。止まらないのはあなたへの愛だけにして欲しいな!!!

 なぜかオレは海外ではすぐ入院したり倒れたりするが日本にいる期間は体が丈夫で、記憶にある中では前回熱を出して寝込んだのは3年ほど前に食中毒になった時にまでさかのぼる。風邪で熱を出したことなんて、もう思い出せないほど昔。ただの風邪で倒れたのなんてもう7、8年は前だと思う。おそらくまだオレが青木裕子(グラビアの方)の引退に心痛めていた頃だ。そんな色黒で健康なオレが今回あっという間に38度後半に突入してしまったのだから、これは相当強烈な病原体である。

 素敵な風邪プレゼントをくれた友人はその数日前までモロに関西におり、この感染力からしても新型インフルエンザの可能性もなきにしもあらずだなと思ったのと、そもそもどこの病院の前を通りかかっても、お知らせとして「発熱、咳などの症状のある方は受診の前にまず保険所の発熱センターへ相談してください」という指示書きが提示してあるため、直接病院に行って追い返されてはたまらんとオレは病院へ行く前に素直に保健所に電話をかけた。

 「東京で感染者が出ないカラクリ」みたいな記事は結構あちこちで見かけており、保健所の対応もネットで少しリサーチしたそのままだったのでやっぱりそうだよなーそりゃあなーと思ったのだが、やはり東京の対応は感染者がほとんど発見されない仕組みになっているのだ。それはどういう仕組かというと、これから書く。読みやすさは考えないで思うままに書く。だって相当体調悪いから。

 保健所の人と話している時もこちらがひたすらむせてしまい迷惑をかけたのだが、まあ一応参考情報までにということで関西から来た人に風邪をうつされたんですということは説明した。しかし、「アメリカやカナダなど海外の指定地域、もしくは感染者の発見された神戸、大阪の指定地域にご自身が7日間以内に滞在しましたか?」ということだけ聞かれ、それに該当しない場合ということであっさりと「お近くの病院で受診してください」と言われた。「お近くの病院で・・・」というのはどういう意味かというと、現在その病気が新型インフルエンザかどうかという遺伝子検査は保健所の設置した「発熱センター」という場所でしか行っておらず、お近くの病院に行くということはどんな症状であれ新型を疑った検査はされず、よって新型インフルエンザの感染者だと断定されることはあり得ないということである。

 オレの場合はこれだけ早く熱も下がったしまあ風邪のちょっと悪どいものだと思うが、その他の人もたとえどのような症状であろうとも、自分自身が上記の指定地域に渡航していない限りは保健所では検査してもらえない、つまり東京都では「本人が7日以内に該当地域に滞在していたという条件がなければ新型インフルエンザかどうかをいっさい調べない」のである。まだかろうじて今週から渡航の対象場所として大阪と神戸の一部地域が加わったが、先週までなどはその基準が海外限定であった。そもそも今関西で発症している人たちは渡航暦の無い人たちがほとんどであり、毎日毎日無数の人間が関東関西を行き来しているこの西暦2009年、言いたいことも言えないこんな世の中で、大泉洋や松本人志というお笑い界の超大物が次々と結婚するというわずか先の出来事も予測不可能なこの時代に、東京では「新型インフルエンザかどうか」という検査を本人が7日以内に該当区域に滞在したという実績が無い限り全く行っていないのである!

 神戸で最初に渡航暦のない男子高校生の感染が確認されたのはどうしてかというと、「渡航暦が無くてもちゃんと検査をしたから」だ。それを、東京ではやっていないのである。ということは、その男子高校生がもし東京在住だとしたら、彼はただ病院でインフルエンザA型と診断されただけで、「新型に感染した人にはなっていない」のだ。つい最近まで東京で感染者がいなかったのは当たり前である。

 関西ではそうやって渡航暦の無い人でも遺伝子検査を行って隔離入院もさせて安全対策を行っても、なおかつ100人以上に感染が広まっている。そして、その勢いと日本の狭さ、のぞみや国内線や夜行バスの本数を考えればどう考えても東京にもかなり前からとっくの昔に感染者は発生しているはずである。ただ検査をしていないだけだ。放置も同然。東京では、渡航暦が無い限り新型インフルエンザでも「ただのインフルエンザA型」になるのだ。だって検査しないから。きっちり検査と隔離を行っている関西でも100人以上に広がっているというのに、検査をまったくする気が無いこちら、いったい現実には関東地方に何人の感染者がいるのだ?? 何百人、何千人???

 だいたい人は「ちょっとくらい熱があるくらいで仕事を休めるか! オレは忙しいんだ!」といいながら出社すればなんとなく自分が頑張っていて誇らしい気分になるので、潜伏期間、発症間際で症状が軽い人はもちろん発熱している人たちもかなりの数があの、世にも恐ろしいお祭り空間、東京の満員電車に乗って咳やくしゃみをしながら通勤するであろう。想像するだけでも身震いしてくる。弱毒性だから別にかかっても……とかいう意見は、今が健康だから言えることだ。実際38度5分の熱だしてみると、めちゃくちゃきついよあんた。ほんとにきついから。マジできついんだよ。やせ細ったもんオレ。動けなくなるよ? しかも、オレの場合は多分新型でもインフルでも無いので、病院でも検査しなかったからわからないけど、仮にただの風邪でこれだったら新型インフルにかかったらどんな地獄を見るというのか?? 今回オレがかかったこの病気(強い風邪?)にしても、これおじいさんおばあさんや赤ちゃんがかかったら相当やばいことになると思うよ。一人暮らしの老人だったら死ぬって。健康な状態では「別にかかってもいいぜ」とか思ってしまうかもしれんが、「話題の新型インフルにかかったぜ、なんかちょっとだけ嬉しいぜ」、なんて言ってる場合じゃなくなるから実際高熱で倒れたら。ふくらはぎすら意味も無くめっちゃ痛くなるんだぜ??? ふくらはぎだぜ?? 風邪と関係ないのに!!!!

 オレも人と会う予定は全て延期にしてもらっているし、基本的に一切部屋から出ないようにしている。今のところうつっているとしたらエルモズだけだろう。と信じたい。インフルエンザは飛沫感染で咳の飛散範囲は2mほどらしいので、どうしても病院や買出しに行く必要がある時でもマスクをして基本的に咳は我慢、我慢出来ない時は周囲に人がいないところに移動してさらにマスクの左右の隙間をふさいで咳をしている。こんなレベルの病気を「まあ人にうつろうが知ったこっちゃ無い」とか言って単なる不注意でもおじいさんとかにうつしてしまったら、それこそ業務上過失致死とかで逮捕されてもおかしくないくらいの犯罪的なことだと思う。今関東地方では、毎日毎日オレ以上の恐ろしい新型インフルエンザに感染している人たちが満員電車で四方八方に病原菌を振りまいているのだ。いや~~~っ!! どうしても感染しなければいけないのなら、せめて女性専用車両でうつされたいっ(涙)!!! 

 新型インフルエンザは空気感染はせず唾などによる飛沫感染らしい(? 専門家でないので責任持てません)ので、マスクは非常に効果的だという。口を触った手でつり革やトイレの蛇口に触れてそれをまた他の人が触ってその後で自分の目や口に触れて……という形で感染していく可能性もあるが、それにしてもマスク&手洗いうがいでものすごく防げるそうなのだ。沢尻エリカの旦那が「海外でマスクをしているのは日本人だけで、礼儀もなってないし滑稽で笑えてくるぜ」というようなことをブログに書いたらしいが、自分が感染したくないし同時に人にも感染させないという点でたとえ他人の目に異質に映ろうともマスクをするというのは人道的に正しいことだと思う。自分にまったく症状が無くても、実は潜伏期間中で知らず知らずのうちに他人に感染させてしまうかもしれないのだ。それをハイパーメディアクリエイターがそんなことを言っているようでは、もし彼に新型インフルエンザが感染したら、体内でさらに強毒性のハイパーな異種ウィルスをクリエイトしてしまうのではないだろうか? 頼むから日本に帰って来ないでほしい。まあ沢尻エリカが感染しているんなら、オレがウィルスごと受け止めてあげてもいいかなと思わないでもないけどな……

 まあ結局何が言いたいかというと、咳がほんとに止まらないのでよく効くハイパー咳止めディアクリエイターを知っている人がいたら教えてくださいということと、どう考えても東京では既に新型インフルエンザが蔓延しまくっているので、いまさらニュースで東京初の感染者の足取りとかを追っているのはあまりにも意味が無くバカバカしく感じるということである。みんな東京の検査の実態を知らないのだろうか??

 ちなみに、東京では保健所での遺伝子検査の対象が狭すぎて感染者が出ていないように見えているだけだが、しかしこの対象の狭さというのはある程度は仕方が無いのかもしれない。どこかの記事で、保健所の人も「保健所の機能的に数多くの検体の検査には対処しきれない」とコメントを出していたし、実際そうなのだと思う。まさかバイトを雇うわけにもいかないだろうし、応援を頼もうにも全国満遍なく緊急事態でどこもかしこも人不足だろう。こういう時のために通常時から余裕ある人員を確保していたら、またそれはそれで「税金の無駄遣いだ!!」と国民のみなさんや野党議員に散々に怒られるだろう。フルーツの入ったヨーグルトは、病気の時に食べるととても美味しい。寝る。でもどうせ咳が出るので寝られない。寝たい。

オバマ

いつも地獄だ死ぬだぎゃーーだと大袈裟に書いているので、あれだけど、今は本当にこれこそが首地獄の世界なのだ。
5日間ぐらいかけてだんだんひどくなったのだけど、昨日とか今日は首が一切動かない。ちょっとの動作で左の肩から背中に電撃痛が走ってしまうのだ。まじですごい。これは凄いよ。ギックリ腰の人の気持ちが初めてわかった。でもまだ起きている方が楽で、寝るのが、どんな体勢でも悲鳴を上げるぐらい激痛なのだ。昨日から一度もくしゃみが出ていないが、もし今くしゃみをしたら痛さで気絶するのではと思ってしまう。
ではどうやって寝ているかというと、基本起きていて、すごく眠くなったらぎゃーぎゃー叫びながら横になって、枕を使わずにほとんどきをつけの体勢で天井を見ながら固まって寝るのだ。多分、これは寝違えというものだと思う。寝て起きたら突然なっていたわけではないが、ストレッチをやっていて、首に力を入れすぎてピキッとなって、いつもは何日か経つと治るのだけど、今回は寝て起きるたびにひどくなっている。首が一切単独で動かないので、C-3POのような動きになっている。ムクはいつも見ていると首が180度くらい回っているが、だいたい野生でもないんだから、あの平和な町内で120度でも振り向けば余裕で安全を確認出来るだろう。だから60度分オレにくれと言いたい。首を回させてくれ。
着替えもぎゃーぎゃー叫びながらだが、しかしよぼよぼとC-3POの動きで病院やコンビニや針には行ってみた。でも外を歩くのは恐い。車にはねられたり、近所のいたずらっ子やオレに惚れてしまったギャルがふざけて抱きついてきたりしたら、確実に悶絶の痛さで気絶である。今ならサファリパークから逃げ出したがライオンが50メートル先にいても、絶対走れない。食べ物も下を向けないのでまっすぐ向いたまま食べられるおにぎりとかそういうのになるが、飲み込む時がまた痛いんだ!! なんのバチがあたってるんだ!!! 最近次々に女性を傷つけているからだろうか?
病院に行って首のレントゲンは何ともなかったので、薬を飲んで、タイのカレン族みたいに首にプラスチックを巻いて、これから良くなれるのか様子を見るのだが、痛くなってしばらくはいつもどおりの生活をしていたが、さすがに昨日の夜からは休養しているのだ。でも、とにかく寝ると痛いので寝込むことも出来ないのだ。病院ではシップをもらって来たのだが、背中に手をまわしてシップを張れるくらい動けたら病院には行かないのである!!! 痛くて背中に手なんて届かないんだ!!!!!! 振り向けないから!!!
夜が恐い。眠くなるのが恐い。寝たらまたひどくなるのよきっと……(号泣)。

首の健康をオレにわけろ
T_img_0370

より以前の記事一覧