« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

襄樊の宿

 中国の安宿というのは、他のアジア諸国と比べても、同じ値段だとしたらずいぶん居心地が悪い。何度もしつこく書いているけど、なんといってもトイレシャワーが辛い!!
 今回アップした動画は、「襄樊」という町のバスターミナル近くにあった安宿だ。
 襄樊には、諸葛孔明が住んでいたといわれる「古隆中」がある。だからこそ他に、三国志遺跡以外のみどころは全く無いとしても宿泊して観光をしなければならない。辛くても、観光をしなければならない。なにしろ、観光は辛いもの。特に長旅になってくると、観光と写真撮影は楽しみではなく単なる義務と化す。別に見たくないけど見なきゃならないのよ古寺を。仏教遺跡を。石組みの遺跡を。世界遺産を。それがバックパッカーの仕事だから。

 そんな襄樊で宿泊した宿は、湿気がすごかった。外に洗濯物を干せる場所は無く、あっても盗られたりネチョンと汚されそうだから干したくないし、しかし部屋干しでは部屋の中の湿度が150%以上あるものだから何日☆続けても乾かない。よって、このように持参したドライヤーでひたすら熱風を送り続けることになる。
 そうすると暑くなるので窓を開けたいものだが、この部屋は宿の奥地にあるため窓が無い。だからこそ湿気が150%なのだ。それならばせめてドアを開けておきたいものだが、このドアの前には個室の公共汚トイレ兼汚シャワーが並んでいる。だからこそ湿気が150%なのだ。
 そんでその個室のトイレに夜中に入ろうとして電気をつけたら、個室のドアが開いていたにもかかわらず中国人のおっさんが大便をしていた。ドアも閉めずに電気も点けずに。オレは謝って逃げた。

 そんな汚トイレが目の前にあるのだから、むしろドアを開けていられようはずもない。冗談じゃない。よくもまあセコセコと金を節約するためにこんなおぞましい部屋に泊まっていたものだと思う。信じられない。想像するだけで吐きそう。思い出すだけで吐きそう。ゲロッゲロロロ~~~~~~~~ッッ!!!!!!

 吐いちゃいました。誰か~~掃除して~~僕の汚部屋を誰か掃除しに来て~~~奥さんになって~~~~~~~っっ
 体験入門でもいいです。「さくら剛の奥さん1日体験」も行っています。常時体験希望者募集中です。どしどしご応募ください。

中国中国

 おかげさまで、発売から4日経ちまして「中国なんて二度と行くかボケ!!……でもまた行きたいかも」が1度目の増刷決定しました。「増刷」というのは、もっと本をたくさん刷る、ということです。売れそうだからもうちょっと部数を作っておこう、と出版社に判断してもらったということですね。
 今度の本は、自分でも書いている時から「これが一番好きな本だ」と思っていたので好調でとても嬉しいです。「自分の棺桶に一冊だけ著作を入れるとしたら、これだろう」と本気で思っていました。まあ旅行シーズンですし、夏休みに中国旅行を考えていらっしゃる方も買ってくださっているのでしょう。みなさんありがとうございます。そしてすいません。「中国なんて二度と行くかボケ!!」を読んで、中国旅行を取りやめたという方もきっといるでしょうから責任を感じてしまいます。いや、むしろ
それでいいのだと言ってあげたいですけど。やめて正解ですよと。

 さて、こんなに超スピードの増刷はめでたいということで、先日成都で鑑賞した川劇の「おめん早変わり動画」、今回はその追加動画をアップしてみました。めでたいつながり、超スピードつながりです。
 連続早変わり、さらになにもつけていないところからの「おめん装着」など、まさに目にもとまらぬ早技とはこのことです。これはすごいですよ。少なくともこの点では中国ってすごいなと思います。
 ではどうぞ。

 

 

 

新刊発売

 本日、最新刊「中国なんて二度と行くかボケ! ……でもまた行きたいかも。」が発売されました。幻冬舎文庫の新刊です。全国の書店でお求め下さい。

 これは「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!」から始まった、「南アフリカ共和国→中国」の旅の最終章となります。
 思えば自分の旅は、旅行記を書くということによって日本への帰国後もじわじわと続いていたように思います。アクティブな、動的な旅としては北京に着き夢破れた時点で終わっていたはずなのですが、静的な旅は東京の自分の部屋でも続いていたわけです。ひたすら毎日パソコンに向かいながら。

 それをトータルで考えれば長い旅でした。今の自分から見ても当時のさくら剛はムチャをしていたと思います。
 「アフリカを縦断する」という決断が最初にして最大のムチャでした。今でもジンバブエやエチオピアにいた頃の自分、そして自分の気持ちを鮮明に思い出すことはできます。がしかし、まさかその後自力で本当に中国に到達ししかもその旅行記が書店に並ぶ日が来るとは、思ってもいなかったですし当時の自分から考えれば夢の世界です。

 ともあれ、これでようやく終わったという気持ちです。
 しかし自分の中の気持ちはこうしてしんみりしていますが、この中国旅行記の中身はというと今までにも増して、「変態の中の変態・さくら剛」という呼称がぴったりあうような過激で気持ち悪くて汚くて情けなくてバカバカしい号泣必死の内容となっております。

 自分自身、この中国旅行記の原稿を読むとあまりのアホらしさとかわいそうさで泣き笑いです。ほんと、この本に出て来るさくら剛って人、変態だと思います。情けなくてかわいそうな人です。海外旅行が世界一似合わないネクラ男です。みじめです。
 でも、人間らしい!! 

 先日画像を掲載しましたが、本の裏表紙にある「概要」を載せておきたいと思います。

「自分を振った彼女を追いかけて中国へ向かった、軟弱で繊細なひきこもりのさくら剛。ドアなしトイレで排泄シーンを覗かれ、乗客が殺到するバスに必死に乗り込み、少林寺で槍に突かれても死なない方法を会得した。こうして鍛えられた(?)著者は、辿り着いた氷点下の北京駅で彼女を待つ……。果たして彼の目標は達成されるのか!? 爆笑必至旅行記。」

 そんなわけで、どうか今回ばかりはみなさん、買っていただけたら嬉しいです。

 

新刊とどきました。

 発売は今週末ですが、「中国なんて二度と行くかボケ!でもまた行きたいかも」の見本が出版社より届きました。

 このように、おばあさんがメンチを切っているような恐ろしい表紙となっております。並ぶおばあさんの構図はなかなか不気味に感じるものがありますね。幻冬舎文庫からです。今週の金曜日には全国の本屋さんにお届けされるでしょう。

 

C

A

 

 そして裏表紙の「本の概要」がこのようになっています。これは自分で書いたものではなく出版社の方でつけてくれたものですが、なかなか赤裸々すぎるストーリーですね。我ながらこの本の著者はどんな変人なんだと意味がわからなくなります。

 

D

 

 なるほど僕は軟弱で繊細なひきこもりであり、ドアなしトイレで排泄シーンを覗かれ、少林寺で槍に突かれても死なない方法を会得して、氷点下の北京駅で彼女を待つ……その結果が「爆笑必至」だと。
 なんとも僕という人間は自分を犠牲にして笑いを取っていますね。言うなれば笑いものですね。ここまで自分を全てさらけ出した文章を世間に向けて発表し、笑いものになる覚悟があるかといったら、できれば笑いものにはなりたくありません。恥ずかしいから。
 しかしみなさんはさくら剛という人間を笑っているように感じるかもしれませんが、しかし実は巧妙な策略によってさくら剛に笑わせられているのです。笑わせられているのだけど笑っている気持ちになる。そういう策なのです。僕の作戦なのです。

 こんな恥ずかしい本を書いてしまったら、恥ずかしくて道を歩けない。人に出会った時にさくら剛ですと名乗れない。隠れながら生きていくしかないかもしれない。

変面

 ブログの両脇にあるamazonアフィリエイト広告の中身が少し変わりました。
 右上を見ていただくと、おわかりのとおり「中国なんて二度と行くかボケ!!」の商品リンクが貼られています。いよいよamazonに登場しました。さくら剛のアフリカ~中国の旅の最終章となる新作です。
 内容量はだいたい他の旅行記と同じ400ページくらいですが、新作なのにもかかわらず値段がいきなり720円! 単行本と比べると破格!!!

 著者としてはかなり苦しむ値段設定です。しかしそれだけたくさんの人に読んでいただければ満足です。単行本と違い、いきなり文庫ですので1000円出せば結構なお釣りが戻って来ます。そのお釣りは僕からの気持ちだと思って下さい。この夏は、1人でも多くの方にさくら剛のアホみたいな旅行記を読んでいただき、楽しい気分になってもらえれば嬉しく思います。

 ちなみに左側のスペースにも、今まではなんだかamazonからの適当なおすすめが並ぶバナーが掲載されていましたが、「さくら剛が相当好きで本気でおすすめしたい作品」を選んでくるくる回してみることにしました。なんだかわからない商品より、さくら剛が責任を持ってオススメするものの方が興味を持っていただけるかと思いましたが、なぜかほとんどマンガです。そもそもさくら剛の本に興味がある分野の人々はたいていこのあたりのマンガはすでに読み切り済みかもしれません。しかし並んでいるマンガはいずれも、さくら剛の学生時代からの人間形成に関わった重要な作品です。買わずとも、機会があればどんなものがさくら剛を形成しているのか、チェックだけしてみてください。
 特にさくら剛の「お笑い」の部分を育てたのが「ついでにとんちんかん」という作品です。この作品に小学生時代に出会っていたために、僕はこんな変態になってしまったのかもしれません。少なくともおもしろ系の人間になってしまったのはこれを買い揃えていたからです。僕にこの世界の常識の破り方というものを教えてくれたのが「ついでにとんちんかん」の主人公・抜作先生です。

 ついでに今回も動画を載せます。

 これは四川省・成都で鑑賞した伝統芸能の「変面」です。伝統芸能とか歴史ある演劇みたいなものというのは、基本的につまらないです。興味深いといえるかもしれないですが、始まって30分も経てば帰りたくなるものです。ほんと興味ない。基本的には興味ない。宿でノートPCを開いてエロ作業にでも没頭したいところだけど、せっかくこの地域に来ているんだからということでイヤイヤながらも義務的に見に行くハメになるそういう展開な事柄が伝統芸能なわけです。歌とか踊りとかね。退屈なの。
 しかし、この変面だけは完全なる例外ですね。中国4000年の歴史が炸裂しています。どうやって顔を変えているのか? どんなトリックなのか? 何度動画を見ても見抜けません。ましてや現地で初めて見た時にはアヒル風な口がポカーーンと開いてしまって閉まりませんでした。今でも僕は油断すると口が開いているのは、この時の余韻がまだ残っているからです。

 

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »