南米でボツ
去年の夏に、「南米でオーパーツ探してる場合かよ」という本を出しました。
最近その原稿を整理していたところ、当時ボツになった「前書き」を発見しましたので、もったいないのでここに載せることにします。
実際に採用された前書きがどういうものかは実際に本をご覧いただきたいのですが、その採用された前書きのせいで日の目を見れなかった、せっかく書いたのに悪徳編集者I上氏によってボツにされた前書きがこれです。
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はじめに
ピシーン! ピシーン(鞭)!
あなたたち……、この本を開いたからにはもう生きて帰れると思わないことねっ!! 覚悟おしっ! ピシイッ(鞭)!!
いいこと? 驚きなさい。今からほんの数千年前まで、恐竜は我ら人類と共存していたのよっ!! イヤーー! ピシイッ(鞭)! その上ラテンアメリカの人々は、古代文明の時代に既にジェット機に乗って空を飛んでいたのよっ! 腰を抜かしなさいあなた!! ビシイッ! あなたのそのちっぽけな脳では理解できないでしょうけどねっ!! 私の言うことは正しいのよ! 絶対なのよっ!! ビシーーン!!
それだけじゃないわよ。
覚悟おしっ!! ビシイッ!
古代の人々は……、あろうことか! このあとすぐに迫り来る、地球滅亡の日まで予言していたのよ!! どうしてくれるのっ!! どうするのよ地球が滅びてしまったら!
冗談じゃないわ。そんなことになったら、私は女王様を引退しなきゃいけなくなるじゃないのよ! 今さら普通のOLに戻れって言うの!? たわごとはおよしっ!! ハイヒールで部長の頭をねじ込むくらいで解雇になるような職場にこのアタシが就職できると思って!! 見くびるんじゃないわよっ! ビシーーン!!
そうよその人類滅亡の予言の謎、恐竜の生存の証拠、超古代文明の人々が天空を飛んでいたジェット機、なぜかそれらの発掘品は全て南米に集中しているらしいの。どうしてっ! ピシイ! なぜそんな一カ所に世界の謎が集中しているのよ!! それならばついでにこの私にも世界の富と男たちを集中させなさい!! ひざまづきなさい私に世界中の全てのものが!
いいこと? 今回はるばる地球の裏側までその謎を探りに行ったのは、あの引きこもり作家、さくら剛よ。あんな軟弱者が出かけて行って何ができると言うのよっ!! いつもいつも海外に放り出される度に何もできず下痢になって号泣してるだけじゃないのよあの野郎は!! あんなウスノロに私の鞭が受けられると思って!? なめんじゃないわよっ!! ピシーーン!
私の鞭を受ける勇気もない、ただの引きこもりが南米に渡ったところで、ちゃんと恐竜に地球滅亡に古代文明の謎に、白黒つけることができるのかい? アタシを楽しませることができるの!? ピシイッ! どうなよっ! ピシイッ!! はっきりしなさいよっ!! ビシイッッ!!
…………。
みなさん安心してください。次ページから始まる本編では、女王様は一切登場しません。今後このようなご無礼がないよう女王にはきつく言い聞かせますので、どうぞ穏やかにこの先にお進みくださいませ。それでは本編へどうぞ。さくら剛
というのがボツになった前書きです。
いやあ、今さらながらこっちの方がおもしろい気がするなあ……。まあどう考えても採用されるわけが無いけど。