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隊長

 久しぶりに38℃を超える熱を出した。いいや出したのではない、出たのだ。

 1年ぶりくらいだ。前に発熱したのは、旅行中、ペルーのアレキパというところだった。あの時は熱が出たのと同時に高山病にもかかってしまって頭がズッキズキに痛かった。

 前の日にナスカからバスで12時間くらいかけて、車酔いで瀕死の状態になりながら深夜にアレキパに到着してそれから宿を探して……、体力が赤くなっていたのに翌日そのまま起き上がって少女ミイラのフワニータちゃんというのを見に博物館に行ったら、ミイラにあわせた室温だったため寒すぎて一気に熱が出たのだ。寒いと熱が出るのは不思議だ。寒いんだから体温は下がりそうなもんじゃないか。暑いところで体温が上がるならもっともだけど、なんで寒いのに体温が上がるんだ。矛盾している。この矛盾を誰か説明してくれ!

 宿で熱を出して寝ている時に撮った写真だ。とりあえず旅先では辛い時には写真を撮ることにしている。後で「この写真を撮った時にどれだけ辛かったか」をよく思い出せるように。

 

Are

 

 いやあ、辛いなあ。

 この写真を見るだけで辛くなる。ほんとに辛い。こんな写真撮らなきゃよかったマジで。ほんとにこの写真見ると辛くなる。他にも車酔いの絶頂の時に撮った写真とか腹痛が限界を超えた時に撮った写真とかがあって、それぞれ見ると最高に辛くなる。なんでそんな辛い時に撮った写真なんかがあるんだと理解に苦しむ。思い出したくないものを思い出させられるのだから。

 それはそうと今回風邪をひいたのは、やはり寒かったからだ。深夜の電力はそれなりに余っているはずなのに、それを知らずに深夜も律儀にエアコンをつけずにいたら日に日に体が冷たくなったのだ。
 ちゃんとそのあたりの情報を調べていれば体調も管理できて余計な面倒を発生させられずに済んだと思うと、いろんなことをちゃんと調べて知ることは大事だと思った。もちろんもっと寒い思いをしている人はたくさんいるわけだけれど、ただ意味もなくみんな一斉に我慢をしても仕方がないわけで、我々は我々でしっかりやらないとなと思った次第である。

 ちなみに震災について、救助隊として参加した看護師さんのブログを、糸井さんのツイッターで紹介されていたので読みました。

http://blog.goo.ne.jp/flower-wing

 

震災について

 みなさんご家族、お知り合いはご無事でしょうか?
 とにかく1日も早く被災地に日常の暮らしが戻ることを祈っています。

 こういう時にこそ日本人としての団結が問われるのです。
 被災地以外に住む、幸いに被災を逃れた我々はたくさん募金をしようではないですか。

 金額の問題ではなく、気持ちが大事なんです。
 いいえ違います。
 気持ちでおにぎりや毛布は買えません。気持ち+0円で人を救うことはできませんが、気持ちが無くとも1万円あれば100人の人が食べ物を口にすることが出来ます。
 今は金額が大事です。糸井重里さんも、今こそ募金というものの金額の底上げをしようではありませんか、と仰っています。

 手ぶらでもコンビニや郵便局に行けば募金出来ますし、サンドウィッチマン募金もありますよ。
 
http://ameblo.jp/mikio-date/entry-10832417537.html

 期間の制限がありますがDMMでは募金金額が2倍になります。
 
http://coupon.dmm.com/deals/dmmbokin/

 
 
 今回の災害では、Twitterの力というのを思い知りました。
 Twitterをやっているかどうかで情報収集能力に大きな差が出ますし、実際の救助要請や安否確認にも有効に使われているようです。特に「スマートフォン+Twitter」の組み合わせが最強だということを学びました。

 しかし、情報が多すぎてみんな何かしら混乱してもいるようです。

 ここ数年ずっと思っていることですが、多くの人々というのは、ちゃんとしたメディアや会社の発表よりも、見知らぬどこかの誰かがネット上に書き込んだガセネタの方を信じる傾向がなぜかあります。
 自分や知り合いに関する2chの噂等々を目にしてつくづく感じていたことですが、ここ数日のTwitterでの善意のデマの拡散はその集大成という気がします。

 また、混乱の中では人は攻撃的になるのだということも感じます。
 停電とか遅延とか失言とか人のツイートとか、もし何か頭に来ることがあったら、いったん被災地の方のことを考えましょう。
 今が1000年に1度と言われるほどの非常時で、東北には生きるか死ぬかの瀬戸際の方たちがたくさんいることを考えたら、家があって食べ物もある我々がくだらないことで争っている場合では無いのです。

 特に原発についての意見はたくさん目にします。もともと原発を作るべきではなかったという意見、原発をやめるなら電力共有どうするんだという意見、東電が無責任だという意見、現場で命をかけている人を責めるなという意見、いや現場の人を批判しているのではなく東電幹部を批判しているのだという意見、
 たしかに、この国ではどんな意見を持とうとも自由なのです。
 言論も自由なのです。
 でも、とりあえずそれは非常事態を乗り切ってから論争すればいいじゃないですか。

 どちらにせよ、福島原発の状態がこれ以上悪化しない方がいいということは確かなのです。東京電力や自衛隊の方々は、事故に対して必死に立ち向かっているじゃないですか。
 サッカーと同じです。「東京電力vs原発事故」の試合が今行われているのです。
 我々はサポーターです。試合中には、サポーターは一丸となって東京電力を応援しなければいけません。原発事故という敵に挑んでいる東京電力チームを、サポーターとして後押ししなければならないのです。観客の声援が大きければ、チームの方々もいつも以上の力が発揮できるのですから。
 今の目的は、事故という共通の敵を打ち破ることですよね。
 そんな時に、応援を忘れてサポーター同士が言い争いをしたり、ましてや試合中の味方チームにクレームをつけたりしている場合ではありません。今はみんなで彼らのサポートをして応援をして、そして試合が終わって共通の大きな敵をやっつけたら、その後で「まあ勝ったには勝ったけどさあ、あんたら前半30分の守りはイマイチだったんじゃない?」とか「後半の監督の采配はおかしかったよなあ」とか、なにか意見があれば自由に言えばいいでしょう。
 とにかく試合の最中だけは、全員で東京電力を応援しましょう。「東京電力vs原発事故」が、東京電力にとってのホーム試合になるように。アウェイにしてはいけません。

 ところで、「今こそ普通の生活をして経済を回そう」とか、「『不謹慎』という言葉は禁止!」という、Twitterでよく見かけるコメント、これが「被災者のことを気にするのは面倒だから自分は何も考えず普段通り暮らしたい」ということの口実になってはならないと思います。

 僕は個人的には、まだ経済を回すということを考える時期では無いと思います。
 例えば隣の家に住む人がお金が無くて飢え死にしかけている時に、「よしこれから買い物して金を使いまくって経済を回してやるから待ってろ!」と励ましても、景気が循環している間に隣の人は手遅れになってしまうでしょう。その前に直接お金を渡した方がいいに決まっています。

 今日の食べ物にも困っている人は、経済が回るのを待つ余裕なんて無いと思います。
 本当に生死の瀬戸際にいる人が存在する間だけは、飲み会やイベントを中止してその分コンビニの募金箱や赤十字の口座に予算を投入する方がいいのではないでしょうか。
 もちろんチャリティーイベントなんかもありますし、募金を集める飲み会もあるでしょうし、助け合いを念頭に置いた行動であればじゃんじゃんやるべきだと思います。ただ被災者の方を置き去りにした「経済を回すための普通の生活」はまだ今の時期は早いんじゃないか、って感じるのです。
 外食産業の方の「自粛ムードで客が来ないので食材がダメになる」とか「うちの生活だって回らなくなる」という意見を見かけますが、今この瞬間に死にそうな人がいるという、応急処置の間だけは我慢して欲しいなと思います。そこまでの危機的状況が続く時間は、そんなに長くはないはずです。日本の力はすごいですから。日本にいるとわかり辛いですが、海外に出ると日本はあらゆる面ですごいんだということがわかりますよ。
 
 もちろん直接被災地の救済もするし被災地以外では経済を回す、それが一緒に出来ればきっと一番いいのでしょうね。ホリエモンもやはりTwitterで「首都の経済を止めてはならない! いつも通りの生活を!」というようなことを訴えていましたが、彼は震災直後に多方面に寄付を呼びかけて既に5000万円以上集めています。だからこそ説得力がある。朝まで生テレビで「尖閣諸島なんていらねえ」と言っていた人間と同じホリエモンとは思えないほど、かっこいいではないですか。

 要点をまとめます。
 こんな未曾有の危機の下でまだ1週間も経っていないのにただ単に普通の生活をしようというのはおかしくて、しかし普通の生活が出来るのにわざとしないというのもおかしいので、「普通に近いけど被災地のことを忘れずに『何か出来ることがあったらしよう』と思いながら暮らす生活」をしませんか。
 今は普通の生活ではない、と思っていれば、停電になったり電車が遅れたりといったことくらいで腹は立たなくなるのではないでしょうか?

 以上が要点です。

 みんなで助け合っていきましょう。

南米でボツ

 去年の夏に、「南米でオーパーツ探してる場合かよ」という本を出しました。

 最近その原稿を整理していたところ、当時ボツになった「前書き」を発見しましたので、もったいないのでここに載せることにします。

 実際に採用された前書きがどういうものかは実際に本をご覧いただきたいのですが、その採用された前書きのせいで日の目を見れなかった、せっかく書いたのに悪徳編集者I上氏によってボツにされた前書きがこれです。

 ↓↓

 

 

はじめに

 

 

 ピシーン! ピシーン(鞭)!

 あなたたち……、この本を開いたからにはもう生きて帰れると思わないことねっ!! 覚悟おしっ! ピシイッ(鞭)!!

 いいこと? 驚きなさい。今からほんの数千年前まで、恐竜は我ら人類と共存していたのよっ!! イヤーー! ピシイッ(鞭)! その上ラテンアメリカの人々は、古代文明の時代に既にジェット機に乗って空を飛んでいたのよっ! 腰を抜かしなさいあなた!! ビシイッ! あなたのそのちっぽけな脳では理解できないでしょうけどねっ!! 私の言うことは正しいのよ! 絶対なのよっ!! ビシーーン!!

 それだけじゃないわよ。
 覚悟おしっ!! ビシイッ!
 古代の人々は……、あろうことか! このあとすぐに迫り来る、地球滅亡の日まで予言していたのよ!! どうしてくれるのっ!! どうするのよ地球が滅びてしまったら! 
 冗談じゃないわ。そんなことになったら、私は女王様を引退しなきゃいけなくなるじゃないのよ! 今さら普通のOLに戻れって言うの!? たわごとはおよしっ!! ハイヒールで部長の頭をねじ込むくらいで解雇になるような職場にこのアタシが就職できると思って!! 見くびるんじゃないわよっ! ビシーーン!!

 そうよその人類滅亡の予言の謎、恐竜の生存の証拠、超古代文明の人々が天空を飛んでいたジェット機、なぜかそれらの発掘品は全て南米に集中しているらしいの。どうしてっ! ピシイ! なぜそんな一カ所に世界の謎が集中しているのよ!! それならばついでにこの私にも世界の富と男たちを集中させなさい!! ひざまづきなさい私に世界中の全てのものが!

 いいこと? 今回はるばる地球の裏側までその謎を探りに行ったのは、あの引きこもり作家、さくら剛よ。あんな軟弱者が出かけて行って何ができると言うのよっ!! いつもいつも海外に放り出される度に何もできず下痢になって号泣してるだけじゃないのよあの野郎は!! あんなウスノロに私の鞭が受けられると思って!? なめんじゃないわよっ!! ピシーーン!
 私の鞭を受ける勇気もない、ただの引きこもりが南米に渡ったところで、ちゃんと恐竜に地球滅亡に古代文明の謎に、白黒つけることができるのかい? アタシを楽しませることができるの!? ピシイッ! どうなよっ! ピシイッ!! はっきりしなさいよっ!! ビシイッッ!!

 …………。

 みなさん安心してください。次ページから始まる本編では、女王様は一切登場しません。今後このようなご無礼がないよう女王にはきつく言い聞かせますので、どうぞ穏やかにこの先にお進みくださいませ。それでは本編へどうぞ。さくら剛








 というのがボツになった前書きです。
 
 いやあ、今さらながらこっちの方がおもしろい気がするなあ……。まあどう考えても採用されるわけが無いけど。

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