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よいお年を……

 少し早いですが、あっさりと今年最後のごあいさつです。

 ブログとか、WEB上にあげる文章というのは一度気をつけはじめると難しく、今回も日記を書いてみたのですがこれは人への思いではなくただ単に自分の存在をアピールしたいだけではないのかと、いろいろ考え始めると結局全部消すという結果になったりします。

 楽しく年末を迎える人もいれば、悲しい思いでいる人もいると思います。しかし誰もが、みんなが楽しい気持ちなればいいと思っているのではないでしょうか……

 またなにか書くかもしれませんが、とりあえず、みなさん良いお年を! と今年はもうブログを書かなかった時のために言っておきます。みなさん良いお年を!

アルパカ

 どうもたびたびすみません。今回のブログでも懲りずに宣伝工作を行うことを宣言します。
 最近は文庫本の方が売れる時代なのでしょう。この経済情勢の下では、仕方ないです。安価で手に入るということもあり、なんだか新刊の文庫が結構評判がいいようです。アフリカの本というのは売れないのが当たり前、出すこと自体が冒険だと言われるこの業界でなかなかがんばってくれているようです。水嶋ヒロの野郎……

 著者としてはあまり見たくない 憎たらしいこの表紙

 

 前編のアフリカ大陸侵入直後全財産盗難も、旅史上5本の指に入るピンチでしたが……、今回発売の文庫の中で描かれている北アフリカから中東の行程というのは、確実に今までの旅で最もきつかった部分です。
 このケニア国境からエチオピア、スーダン、エジプトを挟んでイスラエル……。かれこれ過去の旅行期間を合計すると1年半ほどになりますが、一番辛い期間はここでした。生まれ変わっても二度とぜったーーーーいに行きたくない。ケニアからエジプトに至る旅。10万円もらっても行きたくない。グルメカード5万円分もらっても決して行きたくない。松阪牛引換券600g分をもらったとしてもこれはまだ行けないね。金じゃないんだよねこういうことは。愛のためだから行けたんだよ。愛のために生きる男だからオレは。

 amazonの本の紹介文では、このようになっています。

「子どもの頃から、体を動かすこと、汗をかくこと、外で遊ぶことが大嫌い。放課後は真っ直ぐに家に帰り、部屋にこもりテレビゲームに向かう日々。いつしか友達は減り、大人になった今では「仲間」と呼べるのは戦士や僧侶、魔法使いだけ…となった引きこもりが、突然アフリカ大陸を縦断することに!!」

 このような紹介のされ方は、大人として情けないです。

 それでは、マチュピチュにいたアルパカの動画を紹介したいと思います! ちなみになんで彼らはいつも何かもごもごと食べているのかというと、食べているというよりは、一度食べたものを胃から口に戻してそこでまたポリポリと噛んでまた飲み込むということを繰り返しているのです。動画の最初の方でよく見てみると、首の中をぐぐっと食べ物が上がって来てそれをミラバケッソが嚙み始めるところがわかると思います。どうぞ。ひもじい人はマネしてみてください。

撮影・監督・編集・脚本:さくら剛

 

 

 

幸せについて

 幸せというものがあるのならば、こういうことではないかと思う動画をYoutubeで見つけた。

 これを撮影しているお父さんの立場が、この世で一番幸せだと思う。







 このお父さんの立場になりたい。このお父さん以上に幸せな人がいるとしたらそれはどういう人か想像がつかないほど、このお父さんが最上級に幸せだと思う。
 ほんとうにこの家族がうらやましい。幸せすぎてまぶしい。これこそが幸せというものの正体ではないか。
 しかし、このような幸せにはオレは縁が無いまま人生を終わる気がする。絶対そうだ。この動画は見るだけでこちらも幸せになれる気がする動画だが、ふと我に返るとこのお父さんと自分の立場を比べてしまって悲しくてどうしようもなる動画でもある。

 そんな時は……、寂しくなったら、さくら剛の旅行記を読んで気を紛らわそう。今自分が悲しいとしても、本の中のさくら剛の不遇と比べたらまだ自分の方がよっぽど幸せだと思える。旅先であそこまで悲惨な目にあっている人間がいると思えば、少しは楽になれる気がする。あいつよりはさすがにオレの方がマシだ。と思ったらさくら剛はオレだった(号泣)!!!!!
 
 

 上の「幸せ動画」の柴犬ハナさんですが、その後成長してこのようになっているようです。お父さんがちょっと女っぽいということも判明しました。
 

 

文庫本発売のお知らせ

 「アフリカなんて二度と行くかボケ!!(以下略)」の続編である、「アフリカなんて二度と思い出したくないわっ!アホ!!(以下略)」が12月6日に幻冬舎文庫より発売になりました。
 もうこうなってくると自分の本のタイトルを全部覚えきることができません。特に(以下略)の部分。「……でもまた行きたいかも」とか「やっぱり好き(涙)」とか、なにとなにの組み合わせが正式なタイトルなのか、もう著者自身もなにがなんだかさっぱりです。
 たいていの本には「著者プロフィール」という部分があり、そこには過去の著書のタイトルを並べるのが常なのですが、僕の場合過去の著書がどれもタイトルが長すぎて文字数を食い、おかげで著書をちょっとしか載せられないんです。「三国志男」だけかろうじて短いタイトルなんですが、三国志男の場合は出版社が(サンクチュアリ・パブリッシング)とここが長い!! 「三国志男」(幻冬舎)みたいに短くてさっぱりした過去著作が1つもない!!
 個人的に名刺の裏にも著作タイトルと出版社を並べて書いてるんだけど、名刺がごちゃごちゃするにも程がある!! 自己紹介で「こんな本書いてるんですよ」とタイトルを言うのも恥ずかしい!!!

 ともあれ、中身は、アフリカもいよいよ後半戦、読み返すのもおぞましいエチオピア~スーダン~エジプト~イスラエルの旅行記です。
 この短い中でよくもまあこんなに苦しんだなあオレ、って自分で自分を褒めてやりたくなります。この本で出て来る部分の旅が、僕の過去の旅を振り返っても真っ先に強烈に蘇ってくる、インパクトの強いそして苦しんだ思い出です。自分で原稿を修正しながら、「この人かわいそう~~っ(涙) マジでかわいそすぎるこの人!! 誰かこの人を助けてあげてよっ(号泣)!!!」と原稿の中の自分に同情の涙を流しました。今こうやって日本の自分の家にいる立場で、当時本当にこの本に書かれているような経験を自分がしたと思うと、想像を絶しますね。あの体験は現実世界の出来事ではなく、全てただの悪夢だったのではないかと思うようなあり得ない辛さでした。ああいう苦しみはもう二度と人生のうちで起こって欲しくない!!! 心からそう思ってやまないほんとに!!!

 ともあれ、何卒ご購入を検討頂けますよう、伏してお願いしたいです。どうぞみなさま、よろしくお願いいたします! たったの600円ですよ~。

プレゼントの発送

 「南米でオーパーツ探してる場合かよ」というような本を近くて遠い昔に書きましたが、その本の中にアンケートハガキが挟まっていました。アンケートに記入して返送していただいた方の中から抽選で9名様にさくら剛の南米みやげをプレゼント! ということをやっておりました。

 粛々と締め切り日が過ぎまして、出版社の担当様から当選の方のお名前一覧を教えていただきました。なぜかというと、南米みやげ+のおまけとしてミニサイン色紙をつけることにしたからです! まず当選者の方のご尊名を書きまして、僕がその下に自分の名前を落書きしたもの(良い言い方をすればサイン)を用意させていただきました。
 ちなみに(小石川ちなみではありません)、抽選には僕は一切関わっておらず、当選者の方を決めたのは本の中にも出て来た担当編集者のあの人ですが、おそらく自分のことを良く書いてくれている方のハガキだけを選んだことでしょう。「担当編集者の人がいちいち本の中に出しゃばってくるのがよくなかった」という意見が書かれたハガキがもしあったとしたら、おそらく風呂を焚く時の燃料として即燃やされたことだと思います。
 かどうかは知りませんけど。どうやって選んだかも教えてもらっていないというかもはやあのお人とは音信不通状態なので、抽選を厳正に行ったのかどうか、もしくはまだ生きているのかお亡くなりになっているのか、そういうこともわかりません。
 ただ、なんでも風の噂によると最近著者を差し置いて自分が主役になり、旅に出て映画を作ったりしているとかしていないとか……何を考えているんでしょうかこの人は。
http://boojil.ojaru.jp/okappa/news.htm

 あれっ、これは違う人かな。

 ちなみに色紙をつけることにしようと提案したのはなぜかというと、メインプレゼントであるはずの南米土産がしょぼすぎたからです!! そもそも何をプレゼントするのか僕はわかっておらず、プレゼント用に何か南米で買って来た記憶もありません。思えば旅の途中で「もうこれはいらんな」と思った道具や小物は荷物になるので出版社宛に送りつけたことがありますが、そのへんから勝手にチョイスされて著者の手には返さず読者プレゼントとして発送されるとみました。お土産的な物といえば絵葉書くらいは買ったと思いますが、他の物もまとめて「とりあえず出版社に送っておいて帰国したら返してもらおう~っと」と考えていたものが気がついたら読者プレゼントになっていたのです。

 それは別にいいんだけど。どうせ返してもらったとしても物置の隅で眠るようなたいしたものではないものたちなので。しかし、そんなたいしたものではないものが、たとえばどっかの博物館で適当に買った絵はがきなんてものが「当選おめでとうございます。プレゼント」として送られて来ても、当選した人は全然嬉しくないだろう!! と思ったので、せめてものお詫びとして色紙をつけることにしたのです。とびっきりの愛と怨念を込めて。
 僕のサインには怨念がこもっているので、持っていると良くないことが起きるかもしれませんよ。霊能力者に部屋を霊視してもらったら、「引き出しの3段目に入ってる、なんだか汚い字が書かれた四角い紙……それをすぐに塩で清めてから捨てなさい!!」と指示されるかもしれません。

 というわけで無事出版社からブツは発送されたようでして、当選された方からは直接お礼のメッセージもいただいたり、ブログまたはmixiの日記で「さくら剛からなにか届いた!」と報告が上がっていたりしました。喜んでいただけてこちらも大変うれしゅうございます。
 ただ、「わざわざ色紙まで書いて送ってくるなんて、こんな手の込んだことをするってことは他に誰も応募しなかったんじゃないだろうか?」とあるブログに書かれていました。おいこらっ!!!
 ちゃんとたくさんのハガキの中から、厳正な抽選で9通だけ選ばれたんですよあなた。応募者全員プレゼントじゃないから!!! さすがに応募総数が9通以下とかそこまで落ちぶれちゃいないからまだ!!! あと数年後にはそうなりそうだけど!!!

 たしかに出版業界の0.01発屋として次第にフェードアウトしそうな僕ですが、PUFFYの「愛のしるし」の後半イントロのように、フェードアウトして「あっ、もう終わりかな?」と思ったらまたズンズンとしぶとくフェードインしてくるというそんな存在を目指します!!

 次回は「文庫本3冊目発売」について書きますよ。

鬼太鼓座(おんでこざ)さん

 もう一ヶ月ほど前になりますが、鬼太鼓座さんの演奏を聴きに行田(いくだ)まで行ってきました。

 行田といえば、埼玉県の行田です。往復3時間くらいかかります。しかしなぜか東京での公演予定が無かったため、はるばる行田まで旅をしてきたのです。もちろん1人で。

 会場ではDVDを買いまして、演奏後に順番待ちをしてリーダー?の吉田敬洋さんのサインももらってしまいました! いろいろ疑問に思っていたことも聞けてよかったです。自分もたまにサインをする立場になって気付いたことですが、サインを書いている時というのは何か話しかけてもらった方が楽なんです。なにげにサインというのはそれなりに時間のかかるものなので、沈黙の中で書くよりもなにかと話しながらの方が気分的に楽なんです。吉田さんには、いくつくらいの歳から太鼓を始められたのか、そんなことを伺ってみました。和太鼓には子供の頃から関わっていたそうですが、鬼太鼓座に入門したのは15年前だそうです。
 座員の方々は、富士山の麓で合宿生活をしながら修行をしているんですよ。毎日山の中を走っているらしいです。


On


 えっ? さて、これは意外ですか? 意外なことですか? 僕には似合いませんか? さくら剛がわざわざ県外までコンサートを聴きに行くなんて、そんなことはやむを得ずする以外に自主的に行うわけがないとお思いですか? 絶対になにかからくりがあるとお思いですか??

 ばーかばーか。ばーかばーか。あほあほあほあほ。そう思った奴あほ。色眼鏡でオレのことを見やがって。色眼鏡っていうのはサングラスのことだな? サングラスで人のことを見るなんて失礼すぎてあほとしか言いようがないな。ばーか。あほー。「イケメンが和太鼓なんて聞くわけが無い」なんていうのは偏見にも程があるんだ。イケてるメンズがはるばる行田市まで和太鼓の演奏を聴きに行くことだってあるんだよ。オレがなによりの証拠だろうがっ!!!

 和太鼓を好きになったのは今年からなので昔のことはよく知らないのだけど、鬼太鼓座さんは15年ほど前の全盛期と比べると規模は小さくなっているとはいえ当時20代で先頭に立っていたスーパー座長のヤスコさんも戻って来たようで、新世代旧世代混ざった魂の籠もったスーパーパフォーマンスを見せてくれます。
 吉田さんのけん玉演奏は思わずため息ならぬ「おおお~~っ!」というため声が出てしまうほど感動的な職人芸です。なにを言っているか全然わからないと思うので、ぜひ次のツアーの機会にはみなさんも見に行ってみてください。そこにはきっと、さくら剛もいることでしょう。さくら剛が、裸にふんどし姿でりりしく登場し、屋台の上で大太鼓を叩き始めるでしょう。ウソです。演奏してるっていう意味じゃなくて、観客としているって意味です。当たり前だろうがっ!!!!

 今年の夏から和太鼓にはまっており、それはなぜか? なぜそこまで?
 それでは、教えてしんぜよう。腕が痛くて指先が動かない中、湿布を貼りまくってまで書いてやろうじゃないか。この覚悟見さらせや。
 そうあれは忘れもしない今年のあの頃。たまたまあるイベント会場であるグループ(鬼太鼓座さんではない)の和太鼓の演奏を聴いて、それをきっかけにはまってしまったのだ。それからだ。だいたい自分が和太鼓の演奏などというものに興味を持つなんてことは次世代に生まれ変わってもあり得ないとわかっていたので、暇潰しに適当に聞いていたわけだ。早く会場に着きすぎてしまってやることがなかったため、演奏を聴くというよりはそこにしか座る場所が無かったのでしぶしぶステージ前のベンチに休憩ということで座ったのだ。休憩したいけど太鼓がうるせーなーなどと思いながら。

 そしてボケーっとその地方の素人集団の和太鼓の演奏を聴いていたら、5分くらい後にはひっくり返るくらい感動していたのだ。えーーーーーっ!!! ウソでしょ!!!! そんなバカな!!! と自分でも予想だにしなかったものに自分が感動しているということに驚きながら感動していた。和太鼓ならなんでもいいというわけではない。その素人の方たちが素人とは思えないくらいすごすぎたのだ。なにしろ、半分以上子供だし!! 見た目はド素人。しかし素人ではない。アマチュアで仕事ではなく趣味なのに、太鼓の「た」にすら興味が無かった引きこもりをひっくり返らせるほどの演奏。そして、それからことあるごとにその人たちの演奏を聞きに1人であちこち遠征するようになってしまったのだ。

 誰かが撮った演奏の動画がyoutubeにあがっていたりするのだけど、こればかりはyoutubeで観ても感動の5分の1くらいしか伝わらないと思う。だからおいそれと紹介はできない。鬼太鼓座さんはDVDを買ってみたものの、やはりDVDをヘッドホンの最大音量で聞いたとしても実際に会場にいるのとは全然違う。会場で目の前で聞くあの内臓までふるわされるような感じは本当に会場でしか味わえない。

 最初に和太鼓にはまるきっかけになったグループさんのことは正直具体的にとても書きたいのだけど、まだ書けない! なんかもったいなくて!! でもここぞという時にはしっかりと紹介したいと思う。あれほどの人たちが町内会の地味なお祭りとか小学校のイベントなんかでほんのチョイ登場で地味に演奏しているのだ。ほとんどの場合見学は無料だ。あり得ない!! どうかしてる!! どういうことやねん!!! しかし見に行く方は助かっている。格安だから。交通費くらいなもんでして。でもあの人たちは絶対にもっと広く知られるべきだと思うので、タイミングを見計らってここぞという時に紹介したいと思う。紹介といってもオレもただの1人のファンであり知り合いでもなんでもないけどその時にはここで書いてしまいたいと思う。
 なにしろタイミングがある。演奏する場所によっても良さが違って来るから。次のイベントはぜひみんなに行ってみて欲しい!という時になったら必ず書きたい。

 そんなわけで、その一番好きな地域グループをきっかけにプロの演奏も聴くようになった私。12月の半ばには、鼓童のコンサートに。1人で。そして、12月24日には「TAO」という和太鼓グループの演奏を聞きに行く。1人で。
 はっきり言って、せめてもう少し開催時期を考えて欲しかった。いくらなんでもクリスマスイブに男を1人でコンサートに行かせるか?? いやいや、和太鼓の演奏なので、軟弱な罪人であるカップルどもは会場にはいないと信じよう。観客も全員硬派な、ズボンの下にはふんどしを装着している男の中の男どもだけだと信じよう。そうでなければいけない。おかげで、当日はクリスマスイブだということなど忘れて熱く過ごせそうだぜ。
 もしクリスマスソングなんか演奏された日には、観客の男一同団結してステージに乱入して暴れるからな。全員ふんどし姿になり団員たちをしばくから。和太鼓の集団でありながら敵性音楽などを奏でる非国民どもの根性をふんどしで叩き直してやるから。バチを奪って叩きまくってやるから。
 和太鼓でどうやってクリスマスソングを演奏? と思うかもしれないが、和太鼓の演奏には必ず篠笛という笛がセットになっているので、奏でられてしまうのである!! 時には尺八も出て来るので、敵性音楽を持ち出してくるのも可能なわけだ。
 観客側にも、もしも日本の心である和太鼓の演奏をカップルで聞こうなんていう謀反人がいたら、すぐに男たちで取り巻きふんどしで吊し上げることを予定している。以上である。
 

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