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あの時の事件

 新宿駅を歩いていたら、木村多江さん主演映画の大きなポスターがあった。
 映画に興味はなくとも木村多江さんそのものにはもう大変な興味があるので、歩みを止めて巨大木村さんを30cmの距離でしばらく(ほんの7,8分ほど)凝視していたのだが、なんでもこの映画は「無人島に23人の男と木村多江さん1人が取り残されててんやわんやの大騒動」というような内容らしい。おすぎか誰かはきっと宣伝のために絶賛するのではないだろうか。オレも以前テレビでレッドクリフを絶賛したことがある。その時、言葉では絶賛しながら本当に心の中では絶賛していたかというと、これがもう本当に絶賛していた。心から、正真正銘に絶賛していた。それ以外言えるか立場上? 本当に面白いんだもん。絶賛という以外に思うことなんて何も無いんだ。必ずそうだ。

 ともかく「無人島に23人の男と木村多江さん1人が取り残されててんやわんやの大騒動」という、この説明文でピンと来た、私は猟奇事件愛好家である。
 いずれは自分で猟奇事件に関わり、猟奇事件を体で学び、そして世の中から猟奇事件のような不幸な出来事を無くすように努めたいと思う。辛い気持ちを味わうのは自分1人で十分。オレの理想とする死に方は、映画「ディープ・インパクト」で地球に接近した隕石にロケットで突撃して、命と引き替えに地球を守るあの飛行士の方々の姿だ。ああいう死に場所が欲しい。
 中南米にいるとはいえ旅行当時は毎日ノートPCと向かい合っていた。ネットはほとんどつながらないが、そこは先見性のあるオレのことなのでちゃんと日本から「安宿での引きこもり時に見たら面白そうなサイト」をダウンロードして持って行っていた。その時に読んだのが、おそらくこの多江さんの映画の元ネタになったのではないかと思われる、この事件の記事だ。はっきり言ってかなり忘れかけていたので改めて読んでみた、この「アナタハン島事件」という猟奇事件。えっ、それってどのような事件ですか?

 映画の宣伝文句とほぼ同じ境遇、太平洋戦争中に遭難して島に辿り着いた30人の男たちと、島に住んでいたただ1人の女性、24歳の日本人女性・和子が展開した(巻き込まれた)阿鼻叫喚の猟奇的事件。これが島にいたのが30人の男だけだったらおそらく一致団結して生きて行けただろう。しかし、そこに女性1人入ってしまうことにより、友情そして平穏な人間関係は崩壊し事件が始まるのである! あの京都弁のようなアナタハン島で!
 この事件のヒロインとも呼べる和子さんという女性は、後日身の危険を感じて米軍の船に飛び込み島から脱出するのだが、元々和子さんと一緒に住んでいた男1人を含めて31人の男性関係者が、その時には23人にまで減っていた。1人の女性をめぐって殺人、変死が続きこの時既に8人が消えていたのである。

 たしかに、無人島に女性が1人、それが木村多江さんだったら、オレも率先して殺し合いに参加すると思う。いや、殺し合いはしない。自分が殺されるなんてまっぴらだからだ。ある種の悪賢い知恵はオレは人並み以上に持っていると思う、だから殺される前に殺るんだ。一方的に自分だけ殺す方として生き残ってやるんだ。「なにを言っているの?」「そんな物騒なことを言いなさりますな」、と簡単に諭そうなどと思ってはダメだよそこのあなたはん。どんなに理性的な人間でも、恋愛が絡むと変わるんだ。恋愛、性欲に関する点だけは理性を遙かに超越するということをストーカーや犯罪者は教えてくれる。あなたのパートナーも教えてくれているじゃないかそのことを。あなた自信も自分を振り返って感じることはあるだろうそのことを。「人を殺したら木村多江さんと一緒になれる」ともしわかっていたら、もはや殺すしかないじゃないか。人を刺しても、自分は痛みを感じないんだから。実際にこの映画では男たちが多江さんをめぐって殺し合いをしてしまうんだろう? その男性たちは、映画のキャストとして選ばれるくらいだから普段からモテているイケメンや、演技力を磨く努力を怠らない社交性もある大人な役者さんたちに違いない。そんな人格者ばかり23人も集まっているんだ。それにも関わらず、そんな人格者のみなさんですら殺し合いを初めてしまうのだから、ましてやオレなんかに無人島の多江さんを前にして「理性を保て」、「そんな物騒なことを言いなさりますな」、と諭すのはお門違いだということがわかるだろう。無人格者だぞオレは。

 言っておくけど、イケメンだから殺し合いに勝てるとは思わないでくれよあんたら。そこのキャストたち。イケメンはなあ、周りからちやほやされて育っているから、いざという時のハングリー精神、生命力に欠けるんだよ。無人島で競争を勝ち抜き、多江さんの心をがしっと掴むのは、まさにオレのような世界の隅々を駆け巡っている強い男なんだよ。イケメンなんて、イケメンというほどだからジンバブエやエクアドルになんて行ったことが無いだろう? ニカラグアやパキスタンを旅した経験は無いだろう?? パレスチナ自治区で下痢でバスを止めたことは無いだろう?? オレはなあ、そういう辺境の地には慣れているんだ。たとえ無人島にいきなり放り出されたってなあ、キレイな水洗トイレと24時間使用可能なホットシャワー、エアコンと虫対策グッズと冷蔵庫とおいしい食堂とノートパソコン、あとガイドブックと国際キャッシュカードさえあれば、立派に力強く生きていくことができるんだよオラッ。多江さんと夫唱婦随、1つのベッドを共有しながらワレッ。

 もう変態なことは書きたくない。変態だと思われるから。もうイヤだこれ以上は。普通に生きたい。
 オレが旅先で見た「アナタハン島事件」の概要のサイトには、その木村多江さんのモデルとなった魔性の女性・比嘉和子さんの当時の写真が載っている。30人の男たちが必死に求め争い、8人が謎の死を遂げたその元凶である魔女・和子さん。みなさんも見て欲しい。こちらのサイトだ。
http://www.nazoo.org/distress/anatahan.htm

 ほら木村多江さんそっくりでしょう?

 ただよく考えたらこのアナタハン事件と今度の多江さん映画が関係あるかどうかというのは、オレが個人的に思ったことを述べているだけで、実際は全く別の話かもしれないのでどうぞよろしく。もしかしたら、1人の元気印娘と23人の熱意ある青年たちが無人島を開墾して町を作りあげるまでを描いた、NHK連続テレビ小説のような細うで繁盛記かもしれない。午後ドラ「はるちゃん」シリーズのような、旅館の女将さんの奮闘記かもしれない。それは今後の動静を注意深く見守る必要がありそうだ。

 最後に、ツイッターで書いたけど誰も反応してくれなかった自作の一句を披露してこの記事を閉じたいと思う。「ねたましい 子ども店長 孫(まご)社長」

「オレ派遣 子ども店長 孫社長」でもいいかもしれない。

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