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オーパーツ

Docro

 写真は、ペルーの首都・リマのサンフランシスコ教会だ。教会の地下には、このように何万体もの骸骨が秩序正しく眠るのである。
 このサンフランシスコ教会はリマの旧市街、オレが宿泊していた日本人宿のすぐ近くにあり、その何万体もの遺体が眠る教会からほんの徒歩3分の我が宿は、宿泊者が非常に少なかった。

 本来大勢で一緒に宿泊するはずの、大部屋にベッドが並んだドミトリーで、当時泊まっていたのはオレ1人であった。
 徒歩3分でこんな満員の遺体たちに会える、そんな遺体けな(いたいけな)教会が近くにあるということを念頭に置いた上で大部屋にたった1人だけで泊まるのは、オシッコちびりそうになるくらい怖かった。これが宿泊していた「ペンション沖縄」の大部屋だ。夜中に真っ暗な大部屋にオレ1人だけ……

Heya 

 あはあはは~~ん(号泣)。
 怖い……(涙)。

 ところで、宿の中ではこのように恐怖におののいていたが、しかし外は外でまた、ペルーといえば南米随一の強盗のメッカだ。コロンビアなんかより、ペルーの方がずっと危険だ。コロンビアで怖いと感じたことは一度も無かったが、ペルーはオレの腹の具合も悪ければ本格的に治安も悪い。「首締め強盗」や「タクシー強盗」なんていうものが幅を利かせていて、おいそれとタクシーにも乗れやしないのだ。時折ペルーをはじめとした中南米では強盗がタクシーの運転手を兼業していて、か弱い旅行者を乗せるとすかさず町外れに連れて行き、殴る蹴るの暴行を加えて有り金を奪うのである。

 だから、南米ではタクシーに乗る時もとても用心しなければいけない。乗る前に、必ず運転手に「あなたは強盗ですか? 違いますか?」と確認をしなければならないのだ。急いでいるからといってその確認を怠ってしまったら、何が起こっても文句は言えない。仮に「いいえ私は強盗じゃありません」とドライバーが答えて、それでも実際に乗ってみたら郊外に連れて行かれ身ぐるみはがされそうになったら、それは向こうが悪いのだから「最初にあなたは『私は強盗ではありません』と言いましたよね?」と責めることができる。ちゃんと正々堂々と追及することができるのだ。それでもなおかつ有り金を巻き上げられたとしたら、それはもう完全に相手の過失ということになる。なにしろこちらはあらかじめ確認をしているのだから。しかし最初に強盗かどうかという確認を怠っていたら、それはタクシー強盗を責めるわけにはいかないのだ。責任は五分五分だと言っていい。強盗も悪いが、確認しなかった方も悪いではないか。まあ結局全財産盗られるということに変わりは無いけど。腹へった。カレー食べたい。

 さてそんなペルーでまたも地球の歩き方にも載っていないへんぴな町に強盗に怯え1すじや2すじくらいオシッコを漏らしながら訪れたところ、そこには何を隠そう「カブレラストーン」という謎の超絶発掘品があった。
 それこそ前回のブログで述べた、「人類と恐竜の共存」を証明するもうひとつの重要なしなである。「超絶体験!アンベリバボー」で取り上げられた時にはたまたまオレもテレビを見ており、子供心にその「教科書で習ったことと正反対な歴史の真実」に驚愕悶絶絶叫したものである。オンエアされたのはもうオレが大人になってからだったと思うが、しかし子供心にオレは衝撃煩悶嗚咽したのだ。大人心は今でもまだ持っていないから。

 そのカブレラストーンは、地元の川辺の地中から見つかった大きな石の数々なのだが、それらの石の表面には、「人間が恐竜を狩るシーンの絵」が彫られているのである。そして、専門機関の調査によるとこの彫刻が施されたのは1万2000年前だという。メキシコで出土した6000年前の土偶と同じく、これはまさに「1万2000年前にも恐竜は多数存在しており、人間の狩りの対象となっていた」ということを示す証拠ではないか。このカブレラストーンの存在のつじつまをあわせる説明は、「人類と恐竜が共存していた」という以外に見つからないのだ。
 この石に描かれている恐竜の姿も、象やライオンのそっくりさんではなく明らかな恐竜の形、現代の図鑑でも見られるような「○○サウルス」を正確に表現したものなのだ。それでは、その肝心の彫刻の写真は……! もちろん、2週間後に発売予定(な気がする)のさくら剛の最新刊に掲載されている。掲載されていると、そう信じたい。きっと恐竜の姿が彫られたそのカブレラストーンの写真が新しい本に載っていると、信じてみたい。載せる方向で原稿を作ったはずなので。とはいえ人のやることに完璧なんていうことは無いので、印刷所の人が間違えて本の後半100ページくらいを落丁して作ってしまったり、むしろ著者名はさくら剛でもついうっかり中身を村上龍の小説と差し替えて製本してしまったりするかもしれない。そのあたりは、買ってからのお楽しみであろう。村上龍の小説に中身がすり替わっていたら、それは本来の目的よりも
ずっと良い買い物をしたことになるだろう。上品な世界に生きたいのならば、さくら剛の文章など読まない方がいいのだ。特に小さいお子様の目には触れさせてはいけないのだこんなお下劣な旅行記は。お下劣用語を連呼したりしているのだから。

 ところで、前回と今回で書いた恐竜がらみの謎についてはもちろんあくまで今回のテーマの中のごく一部であるが、そのような「現在の常識ではまったく説明がつかない謎の発掘品」のことを、世の中ではまとめて「オーパーツ」と呼んでいる。例えば未確認飛行物体は「UFO」だし、ネッシーやカッパ、ツチノコや雪男などの未確認生物は「UMA」と呼ばれているのと同じで、現代の学問を基に考えるとまったく存在のつじつまが合わない物体たちのことを、「なんちゃらかんちゃら」の頭文字を取って「オーパーツ」というのだ。「なんちゃらかんちゃら」は英語で、一応正確に言うことはできるけど別にそこには誰も興味ないと思うので略。
 この「オーパーツ」の特徴は、UFOやUMAと違って「実物がある」ということだ。これはとても大きなことである。UFOやUMAはあくまで未確認、せいぜい目撃情報や不鮮明な写真しか無いので想像で語ることしかできないが、オーパーツは先ほど紹介したカブレラストーンのように実物を見て、写真をばしばし撮って、その確実に存在する実物に対してあーだこーだ言うことができるのだ。だから旅行記とのコラボレイシオンが可能なのである。そのおかげで、三国志の時と同じくガイドブックから外れた辺境をあちこち走りまわらされることになり、旅の辛さが2倍になった。現在、こんな「オーパーツ」などというふざけたテーマを我に与えたメディアファクトリー編集部および強欲編集者を、告訴することを検討してゐます。このさくら剛のような社会的弱者を中南米に於ひて散々苦労させたという点で、慰謝料を請求したいと思っております。その際は、ぜひみなさまご署名などで協力願ひたいと思います。僕が南米から書いたいくつものブログ見ましたよねみなさん? みなさんは大切な証人なんです。一緒に戦いましょう。

 今回のひとつのテーマであるオーパーツとはなんぞやということで、いろいろ本も出ていますので、例えばこんなのとか、

読んでみるのもいいかもしれません。amazonで「オーパーツ」と検索してみると他にも多数見つかると思います。

 ただ、それらの本は数多くのオーパーツを少しずつしごく真面目に紹介しているものであり、誰かさんのような下品でぶっちゃけた感想を書いてしまっているものはひとつもありませんが。誰かさんって誰? さくら剛? いやいや、そんなことはない。オレだってちゃんと古代の発掘品には敬意を持っておりしごく真面目に大いなる謎を世間の皆様に紹介しようという意欲はあったんだ。そのような真摯な気持ちで旅と見物に臨んだんだ。でも、黙っていた方がみんなが得をするような正直な感想をついつい我慢できずに言ってしまうのが、オレという男爵の悪い癖なんだ。もう直らないんだこの悪い癖は。オレは人間として欠陥品だから。本当は文芸小説を書いて直木賞を受賞したいんだ。上品な文章を書いて。読書感想文を書きたい。あの頃に戻って。

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