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地球滅亡の日

 地球が滅亡するまで、あとたった2年しかないのかもしれない。いや、むしろオレが中南米で見て来た過去からの遺品や伝承は、人類の終焉が間もなく訪れることを確実に示していた……。

 もし明日地球が滅びるとわかっていたら、どうするだろう。人類滅亡の前日、おすすめの過ごし方はいったいなにか。
 とりあえず、銀行強盗でもしようか。もう明日死ぬとわかっていたら死刑もなにも怖くないので、普段したいと思っているけどできないことを思い切ってやってみる格好の時じゃないか。一度「金を出せ!」っていうのやってみたかったんだよね。スタンガンとか持って。覆面かぶって。顔以外は全裸で。顔を隠して体は露出していれば、ますます目撃者の視線が顔からそれるので犯人にとっては好都合なのだ。ただ、逃げる時に見つかりやすいという欠点はあるけれども。
 でも、よく考えてみれば地球が滅びる前日に大金を手に入れたところで全然意味がない。それに、そもそも明日地球が滅びるという日に銀行は営業しないだろう。
 どうせ強盗をするなら、地球が滅びる直前ではなく何ヶ月か前がいいと思う。それならまだ強奪した金を株式投資なりなんなりで使う期間があるじゃないか。とはいえあまりに日程に余裕を持ちすぎて犯行に及ぶと、まだ世の中が正常に動いていて普通に警察につかまって刑務所に入れられてしまう可能性がある。とはいえ滅亡に近づくまでじっと待っていると、お巡りさんや警備員さんももう出勤していないだろうから捕まる心配はないけれど、既に地球は大混乱で金を使うような余裕は無い、もしくは自分が強盗しに行く頃にはとっくに他の強盗や横領によって盗む金すら無いということになりかねない。そのあたりの日程の調整、いつ決行するかという身を削るような強盗のせめぎ合いが、きっと地球滅亡間近には繰り広げられるだろう。

 否(いな)、しかしオレは、そんな殺伐とした中で死んで行くのはゴメンだ。人生という自分の作品を、オレは美しいままで終わらせたい。犯罪なんて冗談じゃない。「最後の思い出に」と、長澤まさみちゃんの住所を突き止めて抱きつきに行こうなんていうやましいことも一切考えたくない。そんなことは。たとえまさみちゃんがそれを望んでいようとも。オレはできない。
 どうせ滅亡が避けられないのなら、オレは、穏やかに死んでいきたい。そう、ただひとつ、生まれ育った浜松に帰って、最後に母の手料理を食べたい。それだけでオレはいい。

 と言いつつ、実際に滅亡前日に実家に帰って母に手料理を頼んだら、母親は母親で「なんで滅亡の前の日にまでおまえの食事を作らなきゃいけないんだよっ!!! わしゃおまえの家政婦かっ!!!! 最後の日くらい私の好きなようにさせろっ!!! おまえが下品な本を書いてるせいで私らまで白い目で見られてるんだからな!! この親不孝ものがっ!!!」と完全拒否される可能性もある(一部ノンフィクションを交えてお伝えしております)。それでも母の手料理が食べたいと、しつこく食い下がったらキレられて「セロリとゴーヤとたくあんとパクチーの酢の物」なんていう渾身のいやがらせな食事をふるまわれる可能性もある。全部オレの食べられないものだ。母親だけに息子の好き嫌いは完璧に把握している分、敵に回した時は非常に恐ろしい。ああそんな人生で最も不味い最後の晩餐はいやだ……(涙)。それなら、もう素直に最近笹塚にできたココイチにでも行った方がいい。最後にカツカレーを食べよう。と思ったけど明日地球が滅びるという日にCoCo壱番屋に出勤して見知らぬ客のためにカレーを作ろうという人もいないだろうな……。
 そう考えると、地球滅亡前日の最後の晩餐というのは自炊以外にあり得ないような気がしてきた。

 まあ本当言うと、晩餐とかどうでもよくてオレは、みんなに感謝して滅亡を迎えたい。ハグをしたい。道行く人々全員と、「おつかれさま!」と言いあってハグをしたい。だから事前に長澤まさみちゃんやフカキョンや木村多江さんが行きそうな道を綿密にチェックし、偶然を装って通りかかりハグをしたい。一度ハグをしたらちょっとやそっとじゃ離れないぞオレは。最期の力を振り絞るから。そのままの体勢で滅亡を迎えてもいいという覚悟だから。1億年後に宇宙人が地球に来て発掘調査をしたら、木村多江さんにハグをした体勢のまま一心同体で化石化した状態で出土しようとしているから。堀越高校とか、宝塚音楽学校あたりに侵入するのもいいね。そうすれば道行く人はみな美女だから、たいてい外れなしのハグができそうだよね。

 バカヤローーーーっっっ!!!!!


 マヤ文明の、パレンケという遺跡だ。

Parenke

 マヤ文明のことを知れば知るほど、怖くなる。
 2000年ほど前に、今のメキシコ周辺の位置に栄えたのがマヤ文明だ。しかし、マヤの人々は20世紀になってようやく近代人が辿り着いた高度な天文の知識を、2000年前の時点で既に持っていたのである。
 最も有名なのが地球の公転周期だ。西洋文明が数百年前まで使用していた暦の1年の日数、小数点以下4ケタまで算出されていた公転周期の数字よりも、2000年前のマヤの人々の計算の方がずっと正確だったのである。他にも月や金星の公転周期など、どのようにして発見したのかも想像がつかないずば抜けた地球に関する知識を、マヤ文明は持っていたのだ。
 計算が正確というよりも、そもそもマヤの人々が、最新のコンピューターでやっと近代人が辿り着いたような計算結果をどのように見つけたのか、本当に計算でそれを見つけたのかということすらわかっていない。これは、マヤの人々が現代人と同じくらい凄かったということでは全然無いのだ。なにしろ、現代にはコンピューターがあり、その他にも文明発祥より5000年以上かけて培った知識や知性や発明品、いろいろある。なんでも揃っている。オレの生まれ育った実家(名家)のようになんでも揃っている。コンピューターやら骨董品やら肖像画やら家政婦やらラジコンカーやら幸せやらありとあらゆるものがなんでも揃っていた。そう、オレが子供時代に手に入らなかったものは、「友達」だけだ。ウソ。
 しかし2000年前なんて、パソコンはおろか電卓すら、電卓はおろかパソコンすら無い。AVすら無い。ディズニーランドも無い。アルパカ農園くらいはあったかもしれないけど。その環境の中で現代と全く変わらない正確な天体運行の計算をするということは、そんなことは現代の人類でも無理だ。現代の博士や教授だって、現代文明に頼っているのだ。コンピューターも望遠鏡も何も無いという中では今に生きている人の中でも公転周期など正確に計算できる人はいないだろう。それをいとも簡単にこなしているマヤの人々は、今の人類よりもはるかに天才的な知能を持っていたということになる。その証拠に、現代の人々がいくらマヤの人々の知識の謎に挑んでも結論は出ず、現代人のレベルでは「なぜマヤの人々がコンピューターも無いのに正確な天文の知識を持っていたのか」ということが全く解明できず、結局「マヤ文明は、宇宙人が伝えたものだ!!」「マヤ人というのは、地球に移住していた宇宙人なのだ!!」という説が生まれてしまっているほどである。

 マヤの人々(一説では宇宙人)の手による像、仮面

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 そんな恐ろしい知能を誇ったマヤの人々が、ある予言をしているのだ。
 それは、「2012年12月23日に、地球は滅亡する」というものである。
 メキシコでマヤの遺跡をまわり、多くの発掘品を見て、ひとりの旅人としてオレはその予言から目を背けることはできなかった。地球滅亡の日。マヤの予言の謎。そして中米最大の町メキシコシティで、あるひとつのオーパーツを見たことをきっかけにオレは恐ろしい陰謀に巻き込まれて行くのだが……
※オーパーツ=現代の科学・学問では存在の説明がつかない謎の発掘品や遺跡。詳しくは前回のアルパカのブログのそのまた前のブログを見てね!

 巻き込まれて行くのだが……
 いや、ぶっちゃけ特になににも巻き込まれてはいないのだが………

 とにかく続きは、8月6日にメディアファクトリーから89%くらいの確率で発売されそうな、「南米でオーパーツ探してる場合かよ!!」というわけのわからないタイトルのさくら剛さん著のみすぼらしい本の中に続きは書かれているのです。書かれていなかったら、ごめんなさい。最近物忘れが激しくなっちゃって。地球滅亡について書いたのか、2年前に薬局の女の子(さやかさん)を好きになっちゃった時の告白大作戦の顛末を書いたのか、どっちだかわからなくなっちゃいました。忘れちゃいましたいろんなことを。

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