昨日は安部総理に小林被告に丹波さんとニュースが盛りだくさんであった。そんな中、先ほど報道ステーションで見たこのニュース
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060926i311.htm
女性教諭殺害を26年後に自供、男に330万賠償命令
当時小学校の警備員をしていた男が同じ学校の女性教諭を殺して、家の床下に埋めたらしい。そして殺害から26年経って、区画整理か何かで発覚しそうになったので、仕方なく自ら私が殺しましたと名乗り出たそうだ。遺族が訴訟をおこして賠償金が330万円……。
mixiでもこのニュースについての日記が大量に書かれている。殺人事件にしては珍しくけしからんという人と妥当だという人で意見が分かれているようだが、人を殺して賠償金がたったの330万とは少なく感じる。当時29歳だった被害者の女性がそのまま生きて先生を続けていたら、28年で1億円近く稼いでいるんじゃないだろうか。
報道ステーションでは、そのじいさんが犬の散歩をしているところを取材している映像が流れていた。といってもじいさんも犬もモザイク処理されていたが。犬にモザイクかける必要はあったんだろうか……。人んちの犬なんて犬種が同じなら全部おんなじに見えるんだから、別にモザイクいいだろうに。犬に罪は無いのになんかかわいそうだ。楽しく散歩しているのにモザイクなんかかけられて。
でも殺人事件でも刑事で15年、民事で20年という時効があるそうなので、今このじいさんには法律上は罪は無いということでしょ。じゃあ裁判でこの殺人を裁けないのは当たり前である。330万というのは、床下に遺体を隠していたことに対してであり、それはもちろんつい最近まで床下にしまってあったのだから時効にはなっていないそうで、殺人ということに対してはなんら罪を問われていない。この人は殺人者であることに変わりは無いけど、時効が成立している以上はそりゃあ罪を問われなくて当然だろう。だってそのための時効なんだから。
小学一年生の女の子をさらって風呂に沈めて殺した小林薫という男には死刑判決が出て、たしかに今まで日本の殺人事件では1人殺しただけでは絶対に死刑にはならなかったところで画期的な判決が出たとなんとなくみんなが感心しているところに、かたや1人殺したこのじいさんは殺人については無罪である。同じように確実に1人を殺しているのに死刑と無罪だ。ものすごい違いだ。
しかし、この小林薫がもし女の子を殺した後20年間見つからずにしらばっくれていれば、彼も無罪になるのである。うまく死体を処分して、晴れて20年が経過したら何の不安も無く夜も眠れるだろう。もう20年経てば殺人犯人ではなく普通の人なのだ。だから誰か殺しても20年くらい逃げ切る自信があれば、殺してもいいわけだ。
この時効の話とは直接関係ないが、杉浦法務大臣という人のコメントがこれである。http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20060912/K2006091202030.html?C=S
彼は死刑執行の命令を出すという法務大臣の仕事を放棄すると記者会見で断言し、「他人の命を奪うことは理由のいかんを問わず許すべからざることだという気持ちが根底にある」などとのたまったそうだ。だいたいからにして、政治の中枢を担う閣僚が「仕事をしません」と全国民に向けて宣言をしているのである。なんでクビにならなかったのだろうか。しかしそれにしても、これは同じ政治家としてはノムヒョンと肩を並べるくらいキチガイと言える発言だと思う。その「理由のいかんを問わず許すべからざること」である殺人を、なんの罪も無い相手に対して何度も行った人間に対して下った判決である死刑を執行するのも、「理由のいかんを問わず許すべからざること」なのである。
こういう人間が法務省、法律を作ったり執行したりする機関のトップにいるのだ。別にこのおっさんが法律を作ったわけじゃないが、こんな感じだから死刑囚にも優しいし殺人者にも優しい時効という制度ができたのも納得がいくじゃないか。日本では殺されたら負け、ひたすら殺され損なのである。小学生を殺しまくっても、法務大臣さんが「人の命を奪うことは理由のいかんを問わず許すべからざることだ」と言って死刑にならないように守ってくれるのである。しかも死刑どころか20年逃げ切れば完全なる無罪である。これは、なんとも世界の猟奇殺人犯にはたまらない素敵な環境の国ではないか。これでは人を殺したいやつが世界から日本に集まってくるのではないだろうか。
時効がある以上、時効を迎えたら無罪になるのは当たり前で、損害賠償なんて命じられることがあったらそれこそ裁判所が自ら法律を犯すという国家成立以前の原始時代に先祖がえりするということになるので、12歳の女の子を犯しながら泥に顔を押し付けて窒息させ殺し、その他もろもろ金属バットで撲殺したり喉を切り裂いたりで60人くらいの女性を惨殺したテッド・バンディも日本にいれば20年後は法律上は罪の無い普通の人になるのである。女子高生を拷問して殺したこいつらも20年逃げれば「そういえば昔女子高生を殺したこともあるけれど今は逃げ切ってすっきりした人たち」だし、そもそも被害者の女子高生は死んでいるけど彼らはしばらく刑務所で暮らして出てきて今ではなんのお咎めも無くメシも食えば温かい布団で寝る無罪な人なのである。
ちなみにアメリカには殺人事件に時効は無いそうだ。それに5回の終身刑とか懲役300年とか日本と比べたら犯した罪に相応の処罰があるような気がする。まあ死刑の無い州とかもあるけど。いったい時効ってなんのためにあるのか? 時効という制度を作った人は、そもそも殺人者じゃなかったのだろうか。その時法制度を作成していたのが、多分18年くらい前に知り合いを殺したやつだったに違いない。自分の罪を消すために時効20年という制度を作ったのである。それしか、時効がある理由が考えられないではないか。オレの住んでいるのは、殺人者に優しい国だ!!!